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「訪問介護」はゼロからプラスにするもの

「訪問介護」はゼロからプラスにするもの

吉田政弘



 私は現在土屋訪問介護事業所で重度訪問介護(障害福祉サービス)、訪問介護(介護保険サービス)に携わっている。
 言わずもがな、訪問介護サービスなので、利用者様の御自宅に入らせていただき、そこで30分から長ければ10時間以上ヘルパーとして支援に入らせていただくサービスである。

 私はこの訪問介護に携わるようになり、「介護」に対する考え方が大きく変わった。

私の実家はいわゆる「地方」にあり、実家で過ごしていた20年ぐらい前には訪問介護のサービスは知っていたものの、「介護=家族がするもの」、「介護=施設」という考え方が、特に地方では一般的であったように思う。今となっては大変恥ずかしい話であるが、近所の家の前に訪問介護の車が止まっていたら、そこのご家族が介護の責任から逃げているのではないかとさえ考えていたことがある。 介護の実態を全く知らなかった当時の私にとって、介護は「疲弊している家族(マイナスの状況)」のお手伝いをし、「疲れを和らげてもらう(ゼロの状況)」という、マイナスをゼロにするためのものと捉えていた。

 現在私は縁あって、訪問介護で働いている。様々なご自宅にヘルパーとして支援に入らせていただいたが、介護が必要となったステージによって多少の差はあるものの、概ねどこのご家族、ご利用者様からもマイナスの状況のみを感じたということは無かった。むしろ家にいるべき家族が当然に家に集まっており、家族も団結してケアが必要な家族員(ご利用者)のケアを前向きな気持ちで行っている。ご利用者様が家に居るということだけで、既にそのご家族はマイナスではなく、ゼロ、もしくはそれ以上の価値があるということを知った。

 そのような状況の中で、訪問介護はどのような役割・貢献を果たしているのか。もちろんご家族の負担を軽減するという私が当初考えていた役割は少なからず果たしていると感じている。ここからは少し手前味噌な考えとなるが、訪問介護の利用によってご家族が無理なく負担なく介護を継続できるという環境は、そのご家族の団結強化やレジャーを含めた「楽しみ」を生み出していくという前向きな発想を可能にするという点でプラスの役割を果たしているサービスだと感じている。つまり、訪問介護は私が当初考えていたマイナスをゼロにするものではなく、ゼロからプラスへの活動を支援するものと今では考えている。

 土屋訪問介護事業所は現在、北海道から沖縄まで日本各地に重度訪問介護事業所を展開しているが、地域の介護に対する考え方の違いにより、支援に入らせていただくご利用者様の増え方にも違いがあるように感じている。
 女性の社会進出や介護サービスの利用が一般的となっている「都会」では土屋訪問介護事業所へのお求めも多いが、「地方」については、私が当初考えていたような「訪問介護=家族の介護放棄?」というような考えが残る地域もあり、お問い合わせの数にも地域差が見られている。  土屋訪問介護事業所は「すべての必要な人に必要なケアを」という事業理念で日々動いているが、訪問介護に対してマイナスのイメージがある地方では本当に必要な方にケアを届けられなくなってしまうことも考えられる。
 まずは「訪問介護」が社会全体の幸福度をマイナスからゼロにするものではなく、ゼロからプラスに高めていくものであるという認識が広まり、当たり前ではあるが、ケアを必要とする方が積極的に利用を検討できるサービスとして、より一層定着、拡大、品質向上が図られていくことを期待している。