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考え方を変えて楽しもう~ワークライフインテグレーションという考え方

考え方を変えて楽しもう~ワークライフインテグレーションという考え方

吉田政弘



   私は他業種から重度訪問介護の世界に転職したが、最も大きな変化はオン/オフ、勤務日/休日という概念が無くなったことである。

 私はこれまで土日が休みの仕事をしていたが、重度訪問介護の世界では全員が毎週土日休みで働くということは不可能に等しい。実際に土日のサービスは受けない形で運営している事業者もあるが、利用者の日常生活を総合的に支えるという観点からは当然に土日もサービス依頼はあり、むしろ土日の方が入れる事業者が少なくてニーズは高いという状況である。土屋訪問介護事業所のスタッフも土日関係なく支援に入っている状態である。
 また、週休2日制ではあるが、休日も自分が支援に入っている利用者の体調の変化や支援内容の変更等に注意をしておく必要があり、完全に仕事を忘れ切って休むというのは難しい。
 更に、シフト上休日だったとしても、別のスタッフが急に高熱が出て支援に入れなくなることも多く、急遽のヘルプ支援に入る場合もあるため、気持ち的には「待機」の状態に感じることもある。
 勤務時間の問題としては、「夜勤」をメインに仕事をしている場合、例えば月曜日、水曜日、金曜日、日曜日の週4回夜勤だったとしても、夜の0時を区切りとして考えた場合、結局月曜日~日曜日まで毎日数時間は仕事が入ることになるため、0時から24時まで完全に休みとなる日が無く、休みの日が無い感覚に陥ることもある。

 このように、重度訪問介護の仕事は現場スタッフであっても、仕事と休みを完全に切り分けるには自分の中で相応の工夫が必要になってくる仕事である。

 そのような状態はサービス担当責任者や管理者(土屋訪問介護事業所はコーディネーターやマネージャー)になると更に拍車がかかることになる。

 重度訪問介護の現場は24時間稼働しており、スタッフとの連絡や調整、利用者とのやり取りは24時間、時間に関係無く、必要な時に適時対応する必要があるため、常に電話が鳴る状況が続く。夜中でも現場で問題が発生すれば電話が鳴り、対応する必要が出てくる。
 現場スタッフが常に支援に入ってくれている以上、24時間、365日、常に「待機」の状態である。

 「そんなに対応に迫られるような電話は滅多にないでしょう。。。」と思われるかもしれないが、長時間支援が中心の重度訪問介護においては現場の問題(備品の破損、利用者からの指摘やNG、スタッフのぎっくり腰等)やスタッフ家族の感染症罹患等による急遽の欠員も起きやすく、多少体調が悪くても、感染症の疑いがあっても我慢して入れる支援でもないため、毎日のようにシフトの見直しや緊急的な調整が必要になる事態が起こる。まさに「待機」の状態である。

 このような現状から、ワークライフバランスを重視する人にとっては、重度訪問介護の仕事はかなりキツイ仕事のように感じられ、離職していく人も多い。
 これはこれで介護職の働き方改革を考えていくべき問題ではあるが、急激に改善させるためには必ず利用者の生活にしわ寄せがいくことになるため、解決に時間のかかる問題である。

 では、現在重度訪問介護に従事している土屋訪問介護事業所の現場スタッフやコーディネーター、マネージャーはどのような考えで仕事をしているか、またはどのような考え方が求められているか。それは「ワークライフインテグレーション」という考え方である。

 「ワークライフインテグレーション」とは、仕事と生活を両輪に例えて双方でうまくバランスを取る「ワークライフバランス」の考え方を発展させた考え方であり、仕事と家庭、その他個人の生き方等を別々に考えるのではなく一つのものとして考え、そうすることで仕事が家庭生活の満足感に繋がり、趣味でリフレッシュして気力が充実し、仕事への集中力ややりがいがアップするというような相乗効果が期待できるという考え方である。

 確かに、重度訪問介護の仕事は休日でも利用者のことを考えたり、コーディネーター以上の役職ではスタッフの緊急事態に対応したりということが必要になるが、すべてはダイレクトに利用者の役に立つ、貢献を感じられる仕事であるため、仕事の充実は感じやすい。
 土日が休みでも土日は死んだ魚のような眼をしているサラリーマンも多いが、重度訪問介護の必要性や魅力を感じて仕事をしている人は同時にプライベートも充実させている。 例えるならば「経営者」のような生活様式であり、工夫次第ではプライベート時間のさらなる確保や充実も十分可能である。

 他業種から重度訪問介護や介護業界に転職をする際、土日が休みで無くなるということは大きな不安材料の一つであるが、考え方を変えることでプライベートの充実は十分可能である。
他業種からの転職をお考えの方にも是非重度訪問介護に興味を持っていただきたいと思う。
 

【略歴】吉田政弘(1982年12月生 37歳)
H18:一橋大学経済学部卒業
H18~H27: 中小企業専門の政府系政策金融機関
(H23~H24:経済産業省中小企業庁に出向)
H27~H30:国内経営コンサルティングファーム
H30~:ユースタイルラボラトリー㈱(現職)

 高校時代に父がリストラを受けて失業した経験から経済学の勉強を志し、一橋大学経済学部に入学・卒業(H18)。
 福祉業界への就職を考えるも、給与面等現実的な問題から断念。中小企業の安定・発展に貢献するという考えから、中小企業専門の政府系政策金融機関に就職。そこで様々な業界の慣行や業界特性を学ぶ。
 H23~H24の2年間は経済産業省中小企業庁に出向。国会議論を通じた支援法、支援施策の策定プロセスや予算要求プロセスを経験し、国策の成立プロセスを体験。
 H27には企業側に立った事業再生コンサルティングを志し、国内経営コンサルティングファームに転職。そこでの介護施設再建の経験から介護業界の発展の一助を志し、自身も介護業界に身を置くことを決意。
 H30ユースタイルラボラトリー㈱と出会い、様々な重度訪問介護の現場を経験し、現在は「すべての必要な人に必要なケアを」届けるという理念の下、業界発展への貢献を目指して日々奮闘している。