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多様性と共生社会

多様性と共生社会

古嶋航太



昨今、ダイバーシティ(多様性)という言葉をよく耳にします。この言葉を聞くと「障がい者雇用」と結び付けて考える方も多いと思いますが、私はこの考え方をもっと幅広く、家族や企業、そして社会全体に適用すればいいのにな、と考えています。

私は福祉業界に入る前、アパレル業界に身を置いていた時期があったのですが、そこで嵐のようなパワーハラスメントに遭ったことがあります。日々繰り返される暴言と人格否定により、本当に自分自身は人格破綻者で社会不適合者であると思い込んでおりました。一時期は全く眠ることができなくなり、自死や出家も真剣に考えるぐらいでした。結果的に福祉業界に身を置くことで暗い選択をせずにすみましたが、今でもどこかで自分が人格破綻者で社会不適合者であるという考えが抜けきれません。彼らの私に対する主張や評価も尤もだと、未だに思っているからです。

「私ってちょっとオカシイのかな?」という前提に立ったとき「果たして自分自身が全くの健常者であるといえる人がどのくらいいるものだろうか?」「健常者と障がい者の明確な境界は一体どこにあるのか?」「病名がついた時点で障がい者なのか?」「特効薬ができて難病が治ってきたら健常者なのか?」「LGBTは障がいなのか個性なのか?」「男性から見た女性、女性から見た男性は身体の機能が違うという点で障がい者とも言えないだろうか?」「個性なんてそもそもが障がいなのではないか?」といった疑問が次々と浮かんでは消え「所詮は非永続的なマジョリティとマイノリティの違いでしかないのかな」と自分の中では一旦の帰着をみました。

「発達障害」「パーソナル障害」「アスペルガー症候群」など数十年前には考えられないほど無数の疾患名が出てきていますし、これから益々細分化されていくでしょう。その網から逃れて自らを健常者とのたまうのは中々難しいのではないか、そうなるとマジョリティとマイノリティが入れ替わる日も近いかもしれません。障がいはほとんど全ての人が持っていて、その種類が違うだけという考え方が浸透すれば、やがて単なる個性や長所短所と認識されるようになるのではないか、と思うのです。

私自身、性質として本当に偏っていると思いますし、いい意味でユースタイルは偏った人が多いと感じています。私の短所を補ってくれる仲間がいて、私が仲間の短所を補える。そして私たちは動けない方の手足となり、意思を伝えられない方の言葉になる。互いの長所を生かし、短所を補い合うのが「多様性」を認めることであり、その先に真に豊かな共生社会が実現するのではないか。そう思う今日この頃であります。


古嶋航太

福岡県立高等学校修猷館中途退学。アルバイトをしながら音楽活動、子供や障碍者のボランティア活動を行う。詩、哲学、映画、文学、音楽に傾倒。運送業、アパレル業などを経て高齢者福祉に6年半携わり、ユースタイルラボラトリーに入社。全国障害者在宅支援事業所連絡会九州支部長を拝命。現在に至る。