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アリストテレス (講談社学術文庫) 今道友信(著)

アリストテレス (講談社学術文庫) 今道友信(著)

吉田政弘



今回はコラムでもご紹介させていただきましたが、私が歴史上の思想家、哲学者で尊敬しているアリストテレスの入門書をご紹介させていただきます。

アリストテレスは「万学の祖」と言われるように、形而上学、倫理学、論理学といった哲学関係のほか、政治学、宇宙論、天体学、自然学(物理学)、気象学、博物誌学的なものから分析的なもの、その他、生物学、詩学、演劇学、および現在でいう心理学なども含め、あらゆる学問を整理した人物です。現在の英語の哲学「フィロソフィー」という言葉の語源は、アリストテレスの「人間の本性は知(ソフィア)を愛する(フィロ)」という考え方から来ているぐらい現在の哲学にも影響を与えている人物です。

本書ではアリストテレスの思想や考え方が日本にいつどのように伝わったのかの経緯や彼の膨大な草稿の遍歴、生い立ちからのアリストテレスの生涯が前半部分で書かれており、前半部分は哲学等にそこまで詳しくない私でも十分に好奇心を煽られる内容となっています。後半部分は専門的な内容も多いので、より詳しく研究したい方向けの内容かもしれません。

 私が高校1年生の時に衝撃を受けたアリストテレスの「中庸」という考え方。アリストテレスのいう「中庸」とは「過剰」と「不足」を調整するものであり、過剰と不足を足して2で割った状態が、バランスが取れていて最適であるという考え方です。
つまり、何事も行き過ぎてはいけないし、また不足であってもならない。幸福な状態はその中間、つまり中庸にあるという考え方です。
 これは現代の言葉で言うなら「バランス感覚」という言葉に近いものがあるかもしれません。

 ユースタイルラボラトリー㈱もまだ設立8期目の会社であり、正直な内情として、まだまだ制度面等これからより詳細に整えていくべき点が見受けられます。そのような成長段階の会社なので、マネジメントや現場対応においても「バランス感覚」を重視しながらチームを拡大していくリーダーシップやフォロワーシップを求められることがよくあります。

 アリステレスの「中庸」の考え方でチームや会社は拡大するのか?
 その答えは分かりませんが、アリストテレスが歴史上で2番目の広大な帝国を築いたマケドニアのアレクサンドロス大王の家庭教師であったという事実はその問の答えの一つになり得るのではないでしょうか。
ただし、アレクサンドロス大王はどんどん東方遠征していった結果、東の果てで部下の軍隊が疲弊してついて来なくなり、拡大がストップしています。「中庸」というバランス感覚でのチームの拡大の果ても意識する必要はありそうですね。。。

いずれにしても、本書は「万学の祖」の功績が分かりやすく纏めてられており、読めばちょっとだけ学問の重要性を理解した気持ちになれます。

最後にアリストテレスの名言をご紹介しておきます。

名言1:愛について
愛というものは、愛されることによりも、むしろ愛することに存する。

名言2:己について
私は敵を倒した者より、自分の欲望を克服した者の方を、より勇者と見る。自らに勝つことこそ、最も難しい勝利だからだ。

 名言3:教育について
  教育の根は苦いが、その果実は甘い。

 名言4:人生について
人間は、目標を追い求める動物である。目標へ到達しようと努力することによってのみ、人生が意味あるものとなる。

全て現代の歌の歌詞でも使われているようなフレーズですね。
温故知新。その第一歩に皆様にも是非お勧めしたい一冊です。
 

【略歴】吉田政弘(1982年12月生 37歳)
H18:一橋大学経済学部卒業
H18~H27: 中小企業専門の政府系政策金融機関
(H23~H24:経済産業省中小企業庁に出向)
H27~H30:国内経営コンサルティングファーム
H30~:ユースタイルラボラトリー㈱(現職)

 高校時代に父がリストラを受けて失業した経験から経済学の勉強を志し、一橋大学経済学部に入学・卒業(H18)。
 福祉業界への就職を考えるも、給与面等現実的な問題から断念。中小企業の安定・発展に貢献するという考えから、中小企業専門の政府系政策金融機関に就職。そこで様々な業界の慣行や業界特性を学ぶ。
 H23~H24の2年間は経済産業省中小企業庁に出向。国会議論を通じた支援法、支援施策の策定プロセスや予算要求プロセスを経験し、国策の成立プロセスを体験。
 H27には企業側に立った事業再生コンサルティングを志し、国内経営コンサルティングファームに転職。そこでの介護施設再建の経験から介護業界の発展の一助を志し、自身も介護業界に身を置くことを決意。
 H30ユースタイルラボラトリー㈱と出会い、様々な重度訪問介護の現場を経験し、現在は「すべての必要な人に必要なケアを」届けるという理念の下、業界発展への貢献を目指して日々奮闘している。