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よいヘルパー6

よいヘルパー6

佐々木優(松山サービスマネージャー)




よいヘルパーとはいったいどういうものなのか。私は余暇に車を走らせながら、今まで携わってきたヘルパー業務を改めて振り返り、俯瞰してみた。実際に向き合ってみると、これだという命題をなかなか導けず、意外に整理の難しい問いであると感じた。
 そのような車中で気分を変えようと、いま運転しているこの自動車で考えてみることにした。私の介護経験はたかだか5、6年程度であるが、自動車の運転経験は25年を超えていて、ある程度の自信がある。それに、自動車免許は日本人の9割以上(適齢期)の人々が所有しているから普遍性もある。
 いいドライバーとはどういうものだろう、と、試しに私は同乗する友人に問いかけてみた。彼らは私と違ってヘルパーではないが、熟練されたドライバーだ。楽しむように私と交互に挙げられた答えは概ね以下の通りである。

・事故を起こさない人。
・危険予知などの気付きがある人。
・ルールを守って安全運転ができる人。
・相手を思いやり、ゆずり合いの気持ちがある人。
・周りの交通状況に合わせた運転ができる人。
・同乗者が気持ちよく過ごせる運転ができる人。
・目的地に余裕をもって出発できる人。
・道に詳しい、土地勘がある人。
・運転技術が優れている人。

 各々から闊達に発せられたこれらの答えを、ひとつひとつヘルパー業務に重ね合わせながら、私はひとつの気づきを得られた。それは、『安心・安全・安楽』という、介護や医療の三原則と謳われているキーワードに、これらがことごとく通じていることである。そしてそのまま、ヘルパーの営みとして変換してみればこういうことである。  ①優れた介護技術や正しい知識を基盤にしながら、要支援者(サービス利用者)はもち ろん、協働するヘルパーや地域の社会資源と協調してケアの質の向上と統一を図ることで得られる「安心」。
 ②各種法令を遵守し、インフォーマルなルール等も多職種で共有して支援にあたり、危険予知を絶えず心がけながら、インシデント・アクシデントを未然に防ぐ「安全」。  ③心に余裕を持ちながら、様々なシーンで要支援者へ最大限の配慮を払うこと、また、共に働く仲間をも思いやり、気持ちよくケアができる過ごし易い職場環境を創造することで得られる「安楽」。
 最終的に私は、これらの要素を安定したサービスとして提供できるヘルパーが、よいヘルパーであるという考えに至った。
 私は当初、まだまだ未熟である自身のヘルパー業務を、直接的に考察しようとして道に行き詰まり、しばらく路頭に迷った。気分転換に迂回をしてみると、思わぬ良い景色に出逢うことができた。
 「急がば回れ」。これもまた、ヘルパーにもドライバーにも共通するキーワードである。