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人工呼吸器を装着するという選択

人工呼吸器を装着するという選択

高山力也




みなさん、今日は。甲府の高山です。

今回はALSの方がやがて遭遇せざるを得ない人工呼吸器を装着するかどうかの決断についてお話したいと思います。
前にも触れましたがALSは進行性の病であり、やがて横隔膜の機能にも制限がでて自発呼吸が困難になり、ついには気管切開をして人工呼吸器を装着するかしないかの決断を迫られます。
現状では人工呼吸器を装着し「人工の生」を迎え入れる方が3~4割くらい、そのまま「自然の死」を受け入れる方が残り6~7割くらいといいます。また男女比でいいますと、やや男性のほうが装着率は高いそうです※。
個人的にはもっと人工呼吸器装着の方が多くてもいいようにも思うのですが、きっと当人には当人なりの深い葛藤があるのでしょうね。

ところで私が都内メインで活動していたとき、元お医者様のALSの方を担当させていただいたとこがありました。
その方は胃ろう造設はなさっていましたが、気管切開はされていません。また事あるごとに「絶対に延命措置はしないでくれ」を繰り返されていました。
そしてちょうど二年くらい前だったと思います。ついに呼吸不全に陥り、やがてご本人の希望どおり静かに天に召されてゆきました。
元お医者様とだけあって特に医療的ケアや投薬に関してはとても厳しく、私も色々と勉強させていただきました。願わくばもっと色々なことを教えていただきたかったです。


長らく支援に関わらせていただいたヘルパーとして、もちろん個人的な思いは少なからずあるかと思います。
ですがやはりご本人の死生観が、まず真っ先に尊重されなければいけません。きっと当事者でないとわからない、深い「苦しみ」や「悩み」があるでしょうから。

だからこそ、だからこそ人工呼吸器装着を決断されたALSの方々が、心の底から「生きてて良かった」と実感できる社会を作り上げてゆきたいものです。


※『ALS患者におけるジェンダーと人工呼吸器の選択について』酒井美和/Core Ethics Vol.8 (2012) P.171-182


【略歴】高山力也
某国立大学大学院を修了後、H11年に当時まだ珍しい再生医療を扱うバイオベンチャーに就職、先端医療領域での新規事業立ち上げに携わる。その後、生殖補助医療領域でのMRを経て、H19年大手ITベンダー系の事業会社に転職、バイオテクノロジーやヘルスケアを専門領域として投資活動や大学との共同研究を手掛ける。またその傍ら、医療経済などに関する見識も深める。H21年に独立、診療所や介護施設の開設支援コンサルを手掛け始める。このときの経験から介護・福祉領域での仕事のやりがいに目覚め、弊社ユースタイルラボラトリー株式会社にはH29年5月より参加。名古屋事業所や北九州小倉事業所など日本全国各地での新事業所立ち上げに関り、現在は土屋訪問介護事業所甲府を担当している。