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『土屋のスタッフは質が低い。』

『土屋のスタッフは質が低い。』

吉田政弘



 「土屋のスタッフは質が低い。」と言われたことがある。利用者からではなく、地域密着型の重度訪問介護事業所の管理者に言われた一言である。私は決して土屋のスタッフの質が他事業所と比べて低いとは思っていないので、言われたときは頭に血が上った。しかしこの言葉は地域密着型事業者から言われることが稀にある。
 今回は地域密着型事業所と土屋訪問介護事業所との関係について考えたい。

 土屋訪問介護事業所は他の事業者から批判を受けることがある。批判の主な内容は以下である。
①スタッフがコロコロ変わり、一人の利用者専属のスタッフがいない。
②介護素人ばかりである。
③退職するスタッフが多く、会社がブラックなのではないか。

 上記は3つともそれだけを聞くと確かに「どんな事業所やねん。。。」と思う内容だが、私は毎回敢えてこれには自信を持って反論している。

 ①~③は確かに利用者サイドからすると一抹の不安を覚える内容である。これを全て解決するためには以下の対策が必要である。

①’その利用者のところには絶対に辞めないような利用者宅の近くに住むヘルパーのみを入れる。(距離が遠いと続かない。)
②’介護経験者以外は採用しない。
③’介護に興味があってアルバイトをしたいというぐらいのすぐに辞めることが決まっている、もしくは辞めそうなモチベーションの人は採用しない。

 上記①’~③’は地域密着型の介護事業者が得意とするところである。地域密着型の事業所のヘルパーはその利用者の介護の10年選手などもおり、利用者と家族同様の信頼関係を築いている方もいる。このやり方は利用者、ヘルパー共に安心感があり、とても崇高な介護の在り方だと思う。
 一方で、後発の土屋訪問介護事業所が目指しているところは現時点ではここではない。地域密着型事業者だけではコミットしきれないところを補完することを目指している。

 土屋訪問介護事業所の目指すところは「どんな状況でも穴を開けない」というところである。そのために以下の方針で動いている。
①’’常勤はどんな時でも、誰のところにでもバックアップに入れるように、複数の利用者のところに入れるようになる。例え遠方の利用者でも支援に行く。
②’’介護未経験者でも積極的に採用し、他業種からでもどんどんヘルパーになる人を引っ張ってくる。
③’’有期でしか働けない学生や長期就労が難しいと分かっている人でも積極的に採用している。
この①’’~③’’の方針が、上記①~③の批判を受ける原因となっている。

 土屋訪問介護事業所は、24時間支援が必要な人のところに、必ず誰かがいる環境を提供することにコミットしている。
 他事業所の10年選手のヘルパーが入れないことになった場合には土屋スタッフが代わりにその穴を埋める。地域密着型事業者が人を集められないのであれば土屋が代わりに人を集めて開いている枠・穴を埋める。
 土屋訪問介護事業所は上記のように、地域密着型事業者が対応できない部分を補完し、利用者に安心を与えることを目指している。
 一方で、土屋訪問介護事業所は介護未経験者も含めて積極的に採用し、一人の利用者のところに複数人が入れる体制を取っているが、それでも土屋訪問介護事業所だけで永遠に穴を開けないということは不可能であり、家族の協力や地域密着型事業者との連携が大前提となる。土屋が入れない場合には他事業所や家族に穴埋めを依頼することもある。また、介護未経験者については原則土屋訪問介護事業所内で同行研修等により指導を行っているが、この点についても「一緒に育てていく」という部分で家族や他事業所に連携をお願いしている。

 土屋のスタッフは他事業所の10年選手に比べるとまだまだ関係構築の時間が少なく100点ではないかもしれない。また介護未経験者の入り始めの頃はオムツ交換も上手にできず、利用者との距離感も探り探りの状況であり、それこそ「質が低い」と思われるかもしれない。
 しかし、土屋が目指すものは「10年選手」でも「介護技術のプロ」でもなく、まずは「誰もいない環境を作らない(穴を開けない)」ということであり、地域密着型事業者とは目指しているところが違うとともに、その関係性は相互補完の関係である。
 地域密着型事業者のヘルパー、土屋のヘルパーの質が高い、低いを言い争うべき関係ではなく、互いに利用者のことを第一に考え、連携し合っていくべき関係と私は考えている。


 
【略歴】吉田政弘(1982年12月生 37歳) H18:一橋大学経済学部卒業 H18~H27: 中小企業専門の政府系政策金融機関 (H23~H24:経済産業省中小企業庁に出向) H27~H30:国内経営コンサルティングファーム H30~:ユースタイルラボラトリー㈱(現職)  高校時代に父がリストラを受けて失業した経験から経済学の勉強を志し、一橋大学経済学部に入学・卒業(H18)。  福祉業界への就職を考えるも、給与面等現実的な問題から断念。中小企業の安定・発展に貢献するという考えから、中小企業専門の政府系政策金融機関に就職。そこで様々な業界の慣行や業界特性を学ぶ。  H23~H24の2年間は経済産業省中小企業庁に出向。国会議論を通じた支援法、支援施策の策定プロセスや予算要求プロセスを経験し、国策の成立プロセスを体験。  H27には企業側に立った事業再生コンサルティングを志し、国内経営コンサルティングファームに転職。そこでの介護施設再建の経験から介護業界の発展の一助を志し、自身も介護業界に身を置くことを決意。  H30ユースタイルラボラトリー㈱と出会い、様々な重度訪問介護の現場を経験し、現在は「すべての必要な人に必要なケアを」届けるという理念の下、業界発展への貢献を目指して日々奮闘している。