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介助をつけての社会参加を実現するための院内集会参加報告

介助をつけての社会参加を実現するための院内集会参加報告

吉岡理恵




木村英子参議院議員の院内集会が開催されると知合いの記者の方から伺い、急遽予定を変更し同僚の協力を得て参加させていただきました。このような会への参加は初めてなので早速案内に記載の木村英子事務所に参加申込の電話をしてみると、特に申込は不要なので直接会場にお集まりくださいとのことでした。当日は国会議事堂前駅で下車し、参議院議員会館へ向かう数百メートル内に、マイクで演説をする団体、チラシを配る方々を見かけ平日の霞が関はこういう雰囲気なのだなぁと普段味わうことのない空気感が新鮮でした。開場の時間よりかなり早く到着してしまったのでロビーで佇んでいると、顔馴染みの障害当事者の方がいらしたので挨拶を交わしたり、本やメディアでよく目にする方々も訪れたので嬉しい気分になりました。そして集会場に着くと本日の式次第が配られ、1番の開会から8番の閉会まですべて挨拶となっています。参加者の声を聞く会ではないのかな〜というのが率直な感想でしたが、500人くらいいるのではという大規模な集会だったので質疑応答をおこなってしまったら収集がつかなくなるだろうなとも思いました。

集会は、木村議員、舩後議員の挨拶、その後20名程の国会議員の方々の一言挨拶、厚労省の課長職の方、そして当事者団体の方々からの挨拶へと続きました。障害者の完全参加と平等に向けてというメインテーマと、重度訪問介護の就労時の支援をサブテーマに、全国自立生活センター協議会、日本DPI会議、日本ALS協会、全国公的介護保障要求者組合他、約15団体からそれぞれの視点でのお話を聞かせていただきました。

諸団体からの挨拶の中で、最低賃金が障害者の方には適用除外であることを理由に、月収5,000円程度しか収入を得られない方の声がありました。よく耳にすることではありましたが、改めてそれが就労なのだろうかと思いました。確かに内職のような仕事がご自身にとって総合的にちょうどいいという方もいらっしゃるとは思いますが、身体障害をお持ちの方々は体を動かすという部分ではハンディキャップはあるものの、頭のよさや見識眼という点で体を自由に動かせる健常者より上だなと思うことが多々あるのです。当社においてはとくに、システムエンジニアの一人が脳性麻痺の方であり、かつ彼が基盤を作ったシステムのおかげで、私たちは日々の介助者派遣における欠勤のリスクを可能な限り抑えることができています。

ある団体からの挨拶にもありましたが、障害者の方で社会参加に活発な方には講演依頼があるそうです。しかしながら講演に対価が発生することになると、就労中および通勤中は重度訪問介護が使えないという制度上の欠陥から、会場への行き帰りと講演中は介助者をつけられないことになります。講演会場に行けないことは、せっかくの社会貢献・社会参加の機会を失うことですから、その当事者が対価と社会貢献・社会参加を比較衡量して社会貢献・社会参加のほうに重きを置いた場合、講演料を遠慮して介助をつけて無報酬で講演をするということになります。もしくは、講演の日は自費サービスで代替することもできますが、行き帰りの時間も含めると高額になり、赤字になることもあるそうです。これは講演の聴衆には介助者がつき、講演の講師には介助者をつけられないという矛盾です。

この制度の矛盾を先駆的に打破したのがさいたま市です。在宅就労という条件はありますが、市の独自の制度として就労中の介助者を認めました。ニュースにもなったのでご存知の方は多いと思います。埼玉障害者市民ネットワークの会からの挨拶にもあったように、さいたま市の取組みは素晴らしいと思います。そして一つの自治体で始まった事業がモデルとなり、ゆくゆく全国に広がることを期待します。

本集会では、身体、知的、精神、難病、医療的ケア児の当事者団体の方が参加・協賛していました。それぞれの方のご挨拶から、障害当事者の方々の本当の社会参加の意義と、窮状と問題意識を肌で感じることができました。私たちが当然にできていることに障害当事者の方々がまだまだバリアを感じるということ悲しい現実です。そして、本集会に介護事業所が介護事業所として参加していないことがやはり残念でした。「介助をつけての社会参加を」というタイトルにあるように介助は介助者あってこそです。そして介助者の派遣は、障害当事者の運営する事業所もありますが、そうでない事業所も無数にあります。一口に介助者といっても、ロボットではなく一人の人間が介助をします。なので訪問介護事業所が、事業者の団体としてこうしたテーマに積極的に関わっていけるようになりたいと思いました。

本会の司会は視覚障害をお持ちの方が務めていました。言葉の選択に少しも迷いのなかった司会進行は、集会そのものに安定感がありました。不自由な部分があるからこそ自由な箇所を最大限以上活かす、というのが私の障害者観なのですがこれがまた強固になりました。

本集会に参加し、今後の木村議員、舩後議員の活動を重度訪問介護従事者としても、重度訪問介護事業者としても応援させていただきたいと思いました。



吉岡理恵

1981年東京都生まれ、東京都立大学経済学部卒業、大学在学中にオーストラリア、マッコーリー大学に公費留学、帰国後法律系事務所でOLとして働く、2014年東京都職場体験プログラムを機にESLのデイサービス、ユースタイル諏訪ノ森で介護職デビュー、2016年より常勤職員として土屋訪問介護事業所の重度訪問介護事業に参加し各地のマネージャーを務め現在に至る、2018年介護福祉士登録、OL時代にフルマラソンに挑戦し完走8回、趣味は料理と読書