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すばらしいチーム15

すばらしいチーム15

古嶋航太(北九州サービスマネージャー)



すばらしいチームを想うとき、私の中には二つ、中国古典の逸話が思い浮かびます。

一つ目は「鶏鳴狗盗」の逸話です。
古代中国の春秋戦国時代、斉に孟嘗君という賢人がおり、多数の食客を抱えておりました。食客を迎えるにあたって、一芸に秀でていればよしとしたため、中にはものまねの名人や盗みの名人といった有事の際何の役にも立たないような人材もおりました。
賢人として名を知られていた孟嘗君は、あるとき秦の昭王に招聘されそのまま幽閉されてしまいます。昭王は彼を自国の宰相にするつもりでしたが、思ったよりも優れた人物であったため、危険であると判断されたのです。
このままでは命が危ないと悟った孟嘗君と食客たちは、何とか秦から逃れるため知恵を絞ります。そのときに活躍したのが、盗みの名人とものまね名人だったのです。盗みの名人は、秦の宝物庫から狐の毛皮を盗み出して昭王の寵姫に口添えを頼み、ものまね名人は逃亡の際、夜半に到着した函谷関で、朝の鶏鳴にしか開かない門を、鶏の鳴き声を真似て開門させたのでした。こうして孟嘗君は無事に国へ帰ることができたのです。
「鶏鳴狗盗」という四字熟語はあまりいい意味では使われていないのですが、何かひとつでも特長のある人材が活きることができるチーム、その人の可能性を信じられるチームは素晴らしいと思いますし、想定外の事態や大きな変化に対応できると思います。

二つ目は「管鮑の交わり」の逸話です。
こちらも春秋時代、管仲と鮑叔牙という親友が互いに別の皇子の教育係に就いており、王座を巡って戦うことになります。結果的に鮑叔牙の方の皇子が桓公として王位に就き、管仲の方の皇子は処刑されてしまいます。管仲は勿論自分も処刑されるものと思っていましたが、思い設けぬことに鮑叔牙の強い勧めもあって桓公のもとで政治のトップを任されたのでした。
桓公は初めは自分の命を狙っていた管仲の採用を嫌がりましたが、鮑叔牙の「国を治めるだけなら私でもいいですが、天下を狙うのであれば適任は管仲しかいない」との進言を聞き入れ、重用したのです。管仲はメキメキとその才能を発揮し、桓公を覇者に押し上げました。
管仲は「我を生む者は父母、我を知る者は鮑子なり」と語ったといいます。
鮑叔牙は自らの出世や欲望よりも王、つまり組織、チームの将来を優先しました。私心を優先せず、仲間のことを正しく評価し、自らはサポートに回る、これは中々できることではありません。組織やチームが大きくなると、足の引っ張り合いが起こりがちですが、真に周囲を慮ることで、風通しの良いチームができあがると思います。

私の考えるすばらしいチームとは、それぞれ長所でそれぞれの短所を補い合い、自分のことだけでなく常に仲間を思いやる人で構成されたチームです。
働きやすく、他者に寛容で、笑顔が多く、活気に満ちたチームを、これからもすばらしい仲間たちと作っていければ、自ずと望むよりも大きな結果が得られるのではないかと考えています。

古嶋航太
 プロフィール

福岡県立修猷館高等学校中途退学。アルバイトをしながら音楽活動、子供や障碍者のボランティア活動を行う。詩、哲学、映画、文学、音楽に傾倒。運送業、アパレル業などを経て高齢者福祉に6年半携わり、介護福祉士、介護支援専門員の資格を取得。2018年7月ユースタイルラボラトリーに入社。北九州サービスマネージャー。全国障害者在宅支援事業所連絡会福岡支部長。現在に至る。