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よいヘルパー41 ピンときた!利用者様の表情

よいヘルパー41 ピンときた!利用者様の表情

佐藤健輔


この業界に飛び込んだのはほんの一月と数週間前。
とある友人の一言と家族の一押し、個人の一事情から門を叩いた。

正直に言うとよくわかってませんでした。
何が解ってなかったかと白状しますと『介護』についてです。
ヘルパーさんが道で障害者の方が乗る車椅子を押している光景を見たことがありますか? そんな程度の知識しかありませんでした。
そんな私が一月とちょっとで気づけた事はかなり多いです、ですが全ての理解には至りません。
気づいたけれどもわからない。そんな状態です。

ただ、朧気(おぼろげ)にふわりとあやふやにでもピン! と来ることがありました。

それは利用者様の表情です。
最初の訪問時はだいたい『? この人だれ?』こんな吹き出しが浮かんでいます。
当たり前ですね、初対面ですから。

ですが私の研修をしてくれている先輩ヘルパーさんには違います。
『おお!』とよく来てくれたみたいな表情を浮かべる利用者様、『ふう……』とホッとした表情を浮かべる方。

学ぶ身としては実に頼もしい。
しかし、とある利用者様の時に私が先輩ヘルパーさんに長く担当されてるんですか? と聞くと。

――『うん? 今日で○回目だよ?』

驚きました。急転直下も良いところでした。
まるで長年の付き合いのように利用者様とやり取りされる先輩ヘルパー。
どうやったの? とは聞けず(驚いたため)大人しく観察してみました。

この時質問攻めにしなくてよかったと今では思います。
前述した通り『理解』していないことを聞いても人間わからないからです。

しばらく一緒に居て――ピン! ときました。

よいヘルパーだから、だと。
じゃあ、何がよいのか? どこがよいのか?
今度はそっちで悩みます。
そんな折、とある利用者様の所で私にこんな事がありました。

『佐藤さん次いつ来るの?』

私はキョトンとしました。まだ次回の訪問日も決まってなかったため素直に『まだわからないんですよ~』と答えたのです。
そこにかぶせるように利用者様の言葉が投げかけられました。

『またあの晩御飯が食べたい』

たまたま得手だった料理である。
それから数回、訪問するたびに食事の支度をしていたら気づいた。

先輩ヘルパーさんに向ける表情(かお)が調理している私に向いている。
ああ、なるほど。
なんとなく理解できたのはこのときだと思います。

利用者様の『欲しい物(事)』が手に入った、出来たという瞬間。
こうしたかった、こう喋りたかった、こう食べたかった、これが食べたかった……。
それがヘルパーの手で叶った時に利用者様にとっての『よいヘルパー』なのだということに気づいた。

料理しか取り柄がない私は万能だとは思えない。満遍なく卒なく上手い距離感を持って、必要な支援を提供し、千差万別のケア方法を熟知し出来るのは間違いなく『良いヘルパー』だろう。
だけど、この利用者様が『安心』して『居てほしい』という表情を浮かべてくれている時は未熟な自分がこの人にとっての『よいヘルパー』なのだと自分に言い聞かせるようにした。

まだまだ2ヶ月足らずの未熟者だが少しづつやれる事を増やし、先達に近づきながら利用者様にとっての『良い』ヘルパーを目指して……まずは「よい」ヘルパーになっていきたいと思う。
それが私が考える利用者様にとっての「善い」ヘルパーだと思います。