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ダウン症の娘 その②~普通に産まれるって何?~

ダウン症の娘 その②~普通に産まれるって何?~

福武早苗



劣等生の娘は、紛れもなくダウン症という障害者(児)。
事実を受け入れられない中で、何が原因なのかを調べまくりました。

昆虫や生物の生態系や遺伝の書物は何冊も読んだけれど、まさか自分の産んだ子供のことで、医学書の遺伝についてのページを捲る羽目になるなんて……
想像も出来ない事態だった。
この世の終わりと誕生が、共に来たような気持ちになりました。

まず義母からは、「まさかこんなに若いのに、ダウン症の子を産むなんて、、」という大病院の看護師が言うの?ほんとうに信じられない言葉。

母からは「なんで堕ろさなかったの」
更に突き放された凍りつく言葉。

友達には、生まれたよ。と、どうしても言えなかった。
連絡があっても忙しいと答え、連絡すら絶った。
近所の好奇心の目も怖かった。

楽しい明日が見えては来ず、なんで私の元へ障害のある子供が生まれてきたのか、何か悪いことした?
障害者である娘のことをなかなか受け入れられませんでした。

『普通に産まれるって、普通に生きるって何?』
このテーマが今後の人生において娘を産んだことにより生涯考えるきっかけになっていきます。

落ち込んだままの私と、必死に生きている娘は、遺伝子研究をしている教授の元へ1ヶ月ごとに受診しました。

この受診は、別に検診があった訳では無く、私が引きこもりになるのを防ぐ為に来院予定を組んでくれていたのを後々になって知りました。
「とにかく外に連れ出なさいといけないよ、その為にも、病院へ来なさい」と教授は言ってくれました。

毎回発育は悪かったので、心臓血管外科へ受診するよう院内紹介して下さり、検査すると結果は、先天性心疾患で心内膜床欠損症、という病名でした。
ダウン症には何らかの合併症が付き物だそうで、ただでさえ劣等生だったのに、また……

「残念ですが、余命は持って9ヶ月です。」

本来なら、遺伝子に欠陥があると流産するらしい。
それでも生まれて来た娘。
余命はあと、数ヶ月。
あまりの運命の酷さに泣いた。
何で、何のためにこの子はこの世に生まれて来たんだろうか。

手術をすれば 生きられます。
でも、お宅は手術はしないとお義母さんから聞いてますので。

え?どういうこと?

医者からもペコペコされる看護師の義母から、手術はしない方向だと、医者の間では周知されていました。

このまま、手術しなければこの子はどうなるんですか?

「 息がしずらくなり、やがて呼吸困難で亡くなります。」

息が出来ない苦しさ。
想像なんて、息を思いっきり吸えてる私に解るはずない。

でも、判っていたのは見殺しにしなさいという家族なんだということだけでした。

障害が無ければ、手術は即していたでしょう。
けれども障害があり望まれていなければ、救ってあげる気持ちすら芽生えずに差別されるのです。

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