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第二回連続学習会報告 【重度訪問介護の原点と今後~介護・介助とは、支援とは】

第二回連続学習会報告 【重度訪問介護の原点と今後~介護・介助とは、支援とは】

川邉会美




今回、連続学習会に講師として来て下さった 渡邉 琢さんが出版されている本と、経験と、強度行動障害のある人たちの地域での日常生活の様子や介助者たちの様子を描いた「道草」(宍戸 大裕 監督)という映画を取り上げ、学習会の講義をして下さいました。

登場人物3人の知的障害者と介助者の、問題行動に対応する介助者たちも自身の衝動をコントロールできなくなり社会性と人間性が薄れゆく人たちの、介助や支援や尊厳を守るにはどうしていけばよいのか?実際にあった話の映画で私自身まだ実際には観ておりませんが、近々ぜひ鑑賞してみたいと思います。その登場人物の一人が実際に、衝動が制御できなくなって大声を荒げている場面の様子を、ド迫力のある声で朗読して下さいました。介護現場や、自宅で障害を持たれた方と暮らしておられる家庭の現場など、ごくわずかな感動的なストーリーもあるかもしれないですが、ほとんどが苦悩や試練の山の積み重なりだと思います。

渡辺 琢さん自身もう18年間、障害者介護をされており、障害を持たれた方が自立生活を送るための介護保障運動の歴史を「この辺の歴史がおもしろいのです」といい「青い芝の会」や、1970年代の障害者の介助制度の歴史や、平成20年前後の会議内容。障害者の介護時間や介護料の増大求める運動や会議、今の社会通念からしたらこれだけの介護料は出すが、それで介助者が集まらなければ施設へ入所して下さい。今後はもっと介護者が増えるし介助者も足りなくなるに違いないのですが、障害があっても自立生活がしたいという人が居なくなるわけは無いですし、ある出会いや切実な思いに賛同し支えていきたいという介助者も居なくなる訳はありません。

人生観や価値観、介護観、死生観という違いも絡みゆく時代になるのではないでしょうか?
介護の歴史は奥が深く、何とかして障害や高齢者の方々が、最期まで「人間」として生きてゆく手立てを試行錯誤しながら、積み上げてきて下さった歴史があり、私は1980年という、時代の流れの中でも平和な時代に生まれてきたものだと、教養を通じて思っていましたし、法律や憲法、社会保障制度があるから、人間として最後まで擁護してもらえるのと思います。どう考えても楽しい華やかな仕事でもありませんが、数少ない介護に係わる同年代の方々と交流できる機会は、とても貴重な時間だと改め実感しました。

渡辺 琢さんの「障害者の傷、介助者の痛み」は、自身も拝読させて頂き共感する部分も多々あり、その本書の中でもご紹介されている、ユースタイルラボラトリーの最高執行責任者であり、障害者運動やホームレス支援、権利回復運動などにも重要人として関わられておられ、私の尊敬している御一方、高浜 敏之さんのお勧めでもある、「心的外傷と回復~ジュディス・L・ハーマン~」の本を取り上げられています。介助者の傷を癒し回復していくためのプロセスが、様々な国と時代の心理学者や哲学者の理論や歴史とともに綴られている。まるで、心的外傷ストレス障害者を回復させるためのカウンセラーの辞書のようです。今後の人生においても必要な一冊になるのではないかと思い、自身も購入し拝読いたしました。誰しも人生長く生きていると心も身体もズタボロになるものだなと、介護の仕事をしているとつくづく痛感いたします。

本日の勉強会で私の脳裏に自動再生された記憶があります。身長170㎝ほどの元、柔道をしていた高齢者の排泄介助をしようとしたら、ちゃんと声掛けをしたにも関わらず、ベットに座った状態で足を蹴り上げ、私は腹部を蹴飛ばされぶっ飛ばされました。人生で初めての施設での夜勤勤務、当時20歳の時、精神病院から現在はもう落ち着いているからと、男性高齢者が入所してきた。夕食後の片付け時「川邉さ~ん!すぐにストレッチャーをもってきてー!!」と叫び声。駆けつけると98歳のお婆さんの身体の上に乗り、お茶を入れる急須で目の横を2~3か所突き刺され、血だらけになっていた。というような恐ろしい事件もありました。

「理性がなくなってしまっていたらどうしたらよいのですか?」と私は質問してしまいました。渡辺さんは、まずは安全配慮のため1人以上で支援に入り、どのように対応してもダメであれば警察を呼びます。でも、理性が無いわけではないのです。と最後まで人は感情も自尊心もあるので、ゆえに何かがきっかけで行動障害が起きてしまうのだと思います。

渡辺さんも、お子様がおられるとの事で、「子供を背負って山登りをしたらあばらが痛くなりまして…」と、トーク中に「パキッ」と、けっこう大きな音が聞こえてきました(笑)。やはり肉体を酷使して長年働いて来られたのでしょうか。もう、痛みはなくなったのでしょうか?出版された本も拝読させて頂き、2時間の勉強会も合わせ、とても勉強になりました。

今後も、超超高齢化社会となり、強度・重度行動障害(高齢)者と分けられてしまう人も増えてゆくかも知れませんが、契約や利用者本位という名目の度が過ぎないように、お互いの尊厳が守られるようにコミュニケーションやマナーを大切に交流を深めていかなければならないと思いました。