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土屋人日記4 アメリカNY州における脱施設の取り組み

土屋人日記4 アメリカNY州における脱施設の取り組み

佐藤飛美



土屋人日記、また何やら新シリーズが始まってしまいました笑
初回という事もあり何を書こうかと悩むわけですが…
直近の出来事として、先日参加させて頂いたイベントについて書かせていただこうと思います。

先日、東京都議会議事堂にてアメリカNY州における脱施設の取り組みについての学習会が開催されました。
DPI日本会議の崔栄繁氏、自立生活センター小平の竹島圭子氏、そしてニューヨーク自立生活協会からはスザンヌ・ボーモント氏をお招きしての日本の障害者施設の状況や、地域移行への取り組みについてたっぷり三時間ほどの講話。

日本では施設入所者数は減少傾向にあるものの、地域生活へ移行した人数と比較すると新しく入所してくる方々の人数の方が上回ってしまう事。その入所者の割合は身体1.7%と比較し知的障害の方々が11.1%にも及びます。
未だ家族依存が強いこと、そして民間化された病院の利益追求…。
地域移行に関しては都道府県ごとに目標値を設定するものの、その目標値すら年々小さくなっている事。
そして何より全てが自治体任せになってしまっている現状から、日本では脱施設化が進まないのだそうです。

身体・知的・精神・難病とある障害種別の中でも、知的や精神に関して日本国内での理解は乏しく、地域移行が難航しているという認識は私自身も最低限の知識レベルでは持ち合わせておりましたが、具体的な数字や課題を目の当たりに愕然としました。



アメリカNY州のお話では日本とは異なる点もたくさん、とても興味深かったです。

1999年オルムステッド判決によって地域移行の流れは強まったものの、地域でサービスがあっても、施設退所の制度が不十分だったため地域で全ての人が住めるようになったわけではなかったそうで、この辺りは日本もアメリカも最初の課題はやはり同じようなものだったのだなと感じる部分でした。

逆に日本と異なる点として、地域生活へ移行した方々の中では知的障害が最も多いこと。
知的障害者向けの施設はこの5年でほぼ閉鎖し、NY州ではたった二カ所しかなく入所者は150名。そのほとんどがご家族が亡くなり身寄りのないケースや、施設でないとするなら刑務所に入らなければならないようなレベルの方々だそうです。

そして精神病棟にいる障害当事者は地域移行のサービスが使えない。
16人以上いる精神病棟ではメディケイドが適用されず、これには入院患者を減らすという国の政策があるらしい。
その他にも、アメリカでは介助者など家族以外の医ケア(喀痰吸引や服薬)は認められていない事や、24時間介助が認められるケースはほとんど無いとのこと。

日本では介助者の確保に苦戦しているが、アメリカでは介助派遣には別の資金源があり地域移行と介助者の数はあまり関係しないこと。
などなど…

ともかく日本ではまだ確立されていない地域生活への移行サイクルが、既にアメリカでは随分と進んでいるような印象でした。

施設や病院という場所で地域から分離され見えなくなり、無知や無関心から目の届かないところにとどまってしまっている現状からの脱却、そして、身体障害がモデルと言われる一人暮らしも今後は知的など他の障害にも広げていきたい、その思いを改めて参加者の皆さまと共有することができ貴重な時間を過ごすことができました。

土屋訪問でも年明けには、鈴木良先生をお招きし知的障害者の脱施設化について学習会を開催します。
ですが、そんな鈴木先生の本を私は読みたくて買ったくせに、少しばかり分厚いもので読み終えるまでにはもう少し時間が掛かってしまいそうだという事を、今年最後のカミングアウトとして、ここに書き記しておきたいと思います…苦笑

前半は…いや全体が?!
すっかりイベント報告のようになってしまいましたが、私自身これから少しずつ勉強させて頂き、知的や精神障害への理解も深めていければと思うここ最近の近況報告でございました。



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