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第四回連続学習会報告 【①ALS患者が語る福祉とは何か~根本を皆で考えてみませんか~ ②看取りはどこで?】

第四回連続学習会報告 【①ALS患者が語る福祉とは何か~根本を皆で考えてみませんか~ ②看取りはどこで?】

吉田政弘




【第四回】土屋訪問介護事業所連続学習会
日時:令和元年12月21日㈯
場所:鞆公民館
時間:10:00~13:00

<アジェンダ>
・全国障害者在宅生活支援事業所連絡会 事務局長 吉岡 挨拶
・全国障害者在宅生活支援事業所連絡会 大阪支部長 杉 挨拶
・オープニングアクト 事務局長 吉岡
・「看取りはどこで?」講演者:馬越民恵様
・「ALS患者が語る福祉とは何か~根本を皆で考えてみませんか~」講演者:長岡貴宣様

〇オープニングアクト
吉岡理恵(全国障害者在宅生活支援事業所連絡会 事務局長)
佐々木優(松山事業所サービスマネージャー)
尾嶋玲子(広島事業所サービスマネージャー)
明和祥郎(大阪事業所サービスマネージャー)
による対話形式でALS利用者の生活の様子をお伝えした。


ALS(筋委縮性側索硬化症)はどんな病気かについて、具体的な事例を交えながら概要を説明。人による進行スピードの違いや症状発現箇所の違いと、それに伴う生活の様子を重度訪問介護従業者の視点から述べる。

お聞きの方々は「体が動かない」という状況を想像しながら、講演者が話す訪問入浴の様子、訪問医・訪問看護来訪の様子、ヘルパーとのポジショニングの様子を聞き、ALS利用者の生活をイメージされていた。
中でも、話せない方とのコミュニケーション方法、特に口文字・文字盤の様子については特に想像がつきにくいところであり、サービスマネージャー陣の実際の現場でのやり方の説明にお聞きの方々は大きくうなずいていた。嬉しい友達の来客で心はすごく笑っているのに、ALS利用者の表情が乏しいために友達が喜んでいないのではないかと不安を抱いたコミュニケーションのすれ違いの事例とともに、伝えるALS側の伝達の大変さ、受け取るヘルパー側の心掛け等を述べ、またそれに伴う利用者の感情の起伏を含めたリアルな現場の様子をイメージしていた。
ヘルパーの想いとして、「日々学び、日々共に生きる。そこに喜びがある。」「一生懸命生きている方と一緒に自分も一生懸命生きる。」とお伝えし、締めくくられた。



〇看取りはどこで? 講演者:馬越民恵様
 昔は「家庭」が「生(誕生)」の場所であり、「死」の場所だった。今は8割程度が病院等の施設で亡くなるので「死」が身近なことで無くなっている。
 ご自身の有料老人ホームでのたくさんの「看取り」のご経験から、「死」や「看取り」について考える機会を持ってほしいという思いが本講演の目的。

最初の見取りの時、点滴や酸素投与が必要と思っていたところに、医者は「人は自然に枯れていく、死は自然の摂理」と仰り、点滴も酸素もしなかった。病院で医療をしていた看護師の経験から見るとその医者の判断について、最初は「見殺し?」と思ったが、その経験から看取りの場面で医療は必ずしも必要ではないことを知り、「死」について考えるきっかけになったとご自身の経験をお話しされた。

「死」とは「生きる」こと。「死」は必ず訪れる。

その上で、
どこで最期を迎えたいですか?考えたことがありますか?
延命措置を望みますか?

と「死」について考えることの大切さ、家族らと話し合うこと(「死」をタブー視しないこと)の大切さを示唆された。

「看取り」では必ずしも医療が必要ではない。
傍らに愛する人がいること、穏やかな死に寄り添うこと。
この観点から考えることが幸せであり、大事であることをご自身の経験からお話しされた。

「看取りケア」に対する医者の理解がまだ進みきっていないが、地域包括ケアシステムの中で「看取り」に対する考え方も浸透しつつある。

「死」を片隅において「今を生きることが大切」
日々、感謝して、笑って、健やかに生きること!!

お聞きの方々と一緒に「笑い」を演出し、「死」に向かって生きることが大切というメッセージで締めくくられた。


〇ALS患者が語る福祉とは何か~根本を皆で考えてみませんか~
講演者:長岡貴宣様

 長岡様はALS当事者。隣席同士でグループを形成し、リーダーを決め、グループにて検討する方式で講演が進められた。

★福祉って何ですか?
聴衆:介護キャリアは長いが、改めて考えると分かっていないと感じた。

答えはないが、、、
「祉」とは「幸せを願っている」という意味。
「福祉」とはみんなが幸せになること。障がい者や介護利用者だけのものではない。

★幸せって何ですか?
 聴衆1:おいしいお酒を飲み、おいしい食べものを食べること
 聴衆2:一日元気で、おいしいものを食べ、周りに迷惑をかけずに生きられれば幸せ

答えはないが、、、
日本理化学工業の社訓…「人を幸せにする」を掲げている。
◎人に愛されること
◎人に褒められること
◎人の役にたつこと
◎人から必要とされること

この4つは福祉の世界でも大切ではないでしょうかとの問いかけに、お聞きの方々も頷かれた。

★介護の介ってどんな意味?
「介」は助けるという意味。「助」と「介」はどちらが強いか?
「介」は「介入の介」、「介入してでもその人を護る。そのためには知識と技術が必要」

★人とかかわる仕事に必要な能力ベスト3は?
聴衆:コミュニケーション能力、忖度

第3位:技術力
必要最低限でよい。
第2位:観察力
 初対面の介護福祉士に「何でも言ってくれ」と言われることがあるが、初対面の人に何でも言える訳がない。観察していれば相手が何を考えているが見えてくる。

第1位:報告力 (お聞きの方々から驚きの声が上がる)
  この力は報告をする力も然ることながら、上司の報告を聞く力も必要。

★重度訪問介護を社会全体に理解してもらうには?

 ◎集団としての「目的」を明確にする
 ◎豊かな知識を「知恵」に変える
 ◎あきらめない!

三次市も元々重度訪問介護の理解が無かったが、あきらめずに話をすることで、現在重度訪問介護を利用できるようになった。

是非皆さんも思ったこと、やりたいこと、叶えたいことがあれば、目的を持ち、知恵を以て、あきらめずに取り組んでいただきたい。
と締めくくられた。

〇全国障害者在宅生活支援事業者連絡会 代表 高浜 挨拶

 土屋訪問介護事業所の「ケアの必要なところにケアを届ける。」という理念について説明。
開催地岡山県に事業所を開設したことも理念に基づくものであることを話し、本日参加のお礼と共に締めくくられた。