ニュース&ブログ

よいヘルパー44  【協調性】

よいヘルパー44  【協調性】

星敬太郎



よいヘルパーとは、【協調性】があるヘルパーと思います。

高齢者の大型介護施設で勤めていた時の話しです。
介護の資格も経験もなく入社して1ヶ月の私は、その施設に15年勤める女性ヘルパーAさんが話したことに納得ができず反論してしまったことがありました。
その内容は、施設に入居する、糖尿病が悪化した全盲のMさんの話です。
オムツ交換に入いるとMさんは必ず介助者に「誰?誰?」と聞きます。
名乗る私と、名乗っては駄目だよと言うAさんの考え方の違いです。
Aさんは、Mさんは「誰々は上手にしてくれた。」「誰々はこう言ってた。」と人に名前を出して話すから名乗ってはいけないと話します。
そんなAさんに私は、名前を出されても恥ずかしくない仕事をすればいいと偉そうに話します。
介護に自信があった訳ではありません。
ただ単純に人に問われて答えないことに違和感がありました。

すると後日、30歳年上の介護主任さんに呼ばれ、「星くんは【協調性】を持たないかん。」と話されます。そして、Aさんと私のどちらの考え方も否定せず、どちらが正しいか明確にしませんでした。
素直に受け入れられなかった私は、Aさんが名乗らないことについてMさんに尋ねます。
するとMさんは、「Aさんは昔からそういう人だからいーの。」と笑い飛ばします。
本人が笑っているのに私は何に立腹しているのか。とても恥ずかしく思えた経験を積みました。

当時、色々な思いが巡りました。

・Aさんの言動に対し、それは間違っていると思い込み、決め付けた恥ずかしさ。
・Mさんの心の広さ。
・Mさん本人が笑いながらそれでいいと言っているのに、誰のために立腹しているのか、自己満足でしかない正義感。
・介護主任さんが、こちらが正しいとあえて白黒を付けなかったこと。
・Mさんがいいと言うなら、Aさんは黒ではない。
・介護主任さんが、明確に白を決めたら黒の人はそのチーム内でどうなってしまうか。
・介護主任さんが、白を決めマニュアル化したらチームメンバーは働き易くなるのではないか。
・仮に黒の人ができてしまっても、それは仕事の話であって人間性はとてもいい人だったり。

その出来事から現在まで【協調性】というワードは、幾度となく頭に浮かび、その意味を自分なりに解釈するワードとなりました。

当時は理解できなかったことも、今、理解できることがあります。

時に白黒をあえて明確にせず、チーム内のトラブルを回避した【協調性】を大切にする介護主任さんのチーム作りから学んだこと。
それは、決して自分のものさしで他者を測ることなく、他者を受け入れる寛容な心を持つことです。
ヘルパーという仕事は、他者や他職種等とのチームワークが大切な仕事。
それぞれの主張や役割等が異なる方々と連携する必要があるからこそ、【協調性】が必要と感じています。

※星敬太郎プロフィールはこちら