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ロシアの迷信

ロシアの迷信

古本聡



偶には普通の生活の匂いがするロシアネタをお届けしましょう。

●「食器が割れると幸せが来る♪」、
なんてよく言ってました、うちのロシア人お手伝いさん^^; 
物・お金への執着は基本的に「悪」とするからか、元々は客が粗相をしても気を使わせないための「心遣い」だったとも言われている。
実際、高価な食器を割られたとき、「幸せが来る!」と言ったお手伝いさんに給料からの天引き弁償を課したら、えらい勢いで逆ギレされたっけ・・・。

●「鳩(鳥)が窓をつつくと客が幸せを持って来る」
カワイらしいというか、夢がある迷信。モスクワは鳩が多く、毎年役所が街中の鳩を捕獲して郊外に捨てに行くとか・・・。因みに、カラスがつついたら不吉な予兆だそうな。

●「縁起を良くするにはツバ吐き3回」
自分や周りの人が縁起の悪いことを言ったら、木(机・椅子とか)を3回コン・コン・コンと叩くか、左の肩越しにツバをプフッ・プフッ・プフッと3回勢いよく飛ばしてその場の厄を祓う。
この唾吐き、日本流の「ペッ・ペッ・ペッ」ではダメらしい。理由は???。

●「ゴーリカ(苦い)!、ゴーリカ(苦い)!」
主に結婚披露パーティで行われる習慣。列席者皆で「ゴーリカ(苦い)!、ゴーリカ(苦い)!」と囃したてて、新郎・新婦にキスを促す。ゴーリカ(苦い、悲しい=悪)が、キス(甘い=良)することで、甘いキスで雰囲気を良くしろ、という意味らしい。

●「女性は、教会見物にはスカーフを」
女性は、教会に入る際にはスカーフで頭を隠し、長いスカートを履くのがマナー。 男性は帽子を脱ぐ。
相手の信心はリスペクトすべし。ミニスカートなどは、以ての外。
そう言えば、笑いながら教会に入って行って、信者に追い出された日本人御一行様がいたなぁ・・・。

●「黒猫は悪魔の化身」
黒猫が自分の行く手を横切ったら、道を変えるべし。ロシア人お手伝いさんが遅刻した時の言い訳に使っていたな、この迷信。日本人としては、返す言葉がない^^;

●「本数が偶数の花束は不吉」
お祝いや家に招待された折、花束を贈ると喜ばれる。 が、花の数を偶数にしてはいけない。
偶数の花束は亡くなった人に手向けるものだから。
彼女の誕生日に花束を贈る場合、一本増やすか、あるいは減らすかは大いに悩むところだろう。年齢によっては、増やすと相手の怒りを買ってしまい、減らすとケチだと思われかねない・・・^^;

●「ロシアン・ティーにはジャムは入れない」
まず、紅茶と食すのは、厳密にいえば「ジャム」ではなく「ワレーニエ」というもの。ワレーニエの定義は、果実の形が崩れない状態で砂糖だけで煮た、果物の甘煮。
ワレーニエは、紅茶を飲みながらチビチビと食べる。紅茶に入れるのは行儀が悪いと、何回も注意された覚えがある。
熱いお茶をカップからソーサに移して少しずつ飲み、石のように硬い角砂糖を、紅茶で溶かしながらかじる。私にとっては、こちらの方がロシアン・ティーのイメージなのだ。

(2017年5月の記事より、再掲載)

古本聡(こもとさとし)
昭和32年生まれ、脳性麻痺1種1級、6歳からの5年間余、旧ソ連の障がい児収容施設での生活を経験した最初で最後の日本人。早稲田大学商学部卒、大学院生だった25歳より英語とロシア語翻訳会社を経営。16年4月よりユースタイルカレッジにて障がい当事者としての講話を担当。