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第六回連続学習会報告 【知的障害者の〝本気“の脱施設化を考える~知的障害者の脱施設化における重度訪問介護について~】に参加して

第六回連続学習会報告 【知的障害者の〝本気“の脱施設化を考える~知的障害者の脱施設化における重度訪問介護について~】に参加して

富田祥子


先日、名古屋で開かれた勉強会に参加させていただき、知的障害者のケアに携わっておられる方々のお話を伺う機会を得ました。
私はまだ入社して日も浅く、ほとんど知識を持たぬまま勉強会に参加しましたが、講演者の方々の熱意が知識云々を吹き飛ばしてくれるような、非常に面白い勉強会でした。
知的障害者の脱施設化における重度訪問介護の現状と課題を学べたのが何よりの収穫でしたが、それについては識者におまかせし、素人の私の印象に残ったお話について感想を述べたいと思います。

一つは、「依存は自立に向かって必要なもの」という池田先生のお言葉です。自分と真剣に向き合おうとする人との関係の中でこそ、人は確かに成長すると思います。それは障害者であれ、健常者であれ、同じ事でしょうし、その関わり合いの中で反発や依存、そして自立が生まれていくと感じました。
それにしても、自分の考え方や生き方を変えるほど真剣に関わってくれる人との出会いは貴重です。利用者の自立に向けて、池田先生をはじめ、土屋訪問介護のスタッフが真摯に利用者と向かい合うさまは、仕事という枠に収まりきらない情熱と愛情があってこそ為せる業だと感じ、非常に感銘を受けました。共依存の弊害が取りざたされる業界ではありますが、まずは恐れることなく、真摯に利用者に向き合い、自らもダイナミックな心の動きを感じることこそが大切であると思わされました。

二つ目は、鈴木先生の「ヘルパーの専門性は何か?」というお話です。ヘルパーという仕事は、私の拙い知識と経験ですら、利用者と密に向き合うものだという事は分かります。そして利用者には一人一人、歩んできた道のりがあり、生きてきた証があります。その利用者の生活を支援するのがヘルパーの重要な役割だとは思いますが、鈴木先生はヘルパーにそれ以上のものを期待されていました。それは、「利用者の世界を拡げていく」ことです。

今後、高齢者や障害者の数は増え続け、5年後にはヘルパーの数が30万人不足するという時代がやってきます。一方で、AIにより生活支援がよりスムーズに行える時代も遅からず来ると思われます。つまり、AIでは難しいことを、ヘルパーが担う時代が来るということです。
そのときに力を発揮するのが、鈴木先生の仰られた「ヘルパーの個性」であると思われました。生活支援以上に、いかに人生をいきいきと生きるか、いかに生活を楽しむかを利用者が求める時代が来るとき、ヘルパーはその個性や特技によって選ばれることになります。
現在、私は現場で右往左往しておりますが、スタッフの皆さんの人柄や個性に助けられ、楽しみながらお仕事をしています。利用者も、スタッフと心を通わせるのを楽しみにしていると感じております。今後、自分たちに新たな方向性、新たな専門性を求められることを心の片隅に置き、生活支援を行うことも必要ではないかと思わされました。

最後に、ご自身が知的障害者の息子さんをもつ久保田さんのお話しです。久保田さんは何度も仰っておられました。「知的障害者は面白い」というメッセージを打ち出していかねばと。
人は知らないものには恐怖を覚えるものです。しかし知ることさえできれば、恐怖がなくなるというのもままあることです。知的障害者を社会が受け入れるには、私たち一般市民が実像を知る必要があるのだと感じました。

また久保田さんは、知的障害者が外に出ていくこと、新しいことにチャレンジすることが重要であると仰っていました。またそれをしなければ、施設と同じであるとも。久保田さんは実際に知的障害者の方々と街に出ていき、普段の生活では知的障害者に関わることのない人々に、出会いの場を設けています。今後、ノーマライゼーションの理念が自然と日本に根付く日も来るでしょうが、それにはこうした地道な活動があってこそであると思わされました。
しかし、活動に地域的な限定がある以上、それだけでは足りないのも事実です。メディアやITネットワークを活用し、不特定多数の人に対し、広域に広めていく必要性も感じられました。今回はNHKが来られていましたが、どのような内容になるのかが楽しみです。

ソーシャルビジネスの誇りをもって、さまざまな分野を切り開いていくことの重要性と可能性を感じることのできる勉強会でした。