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土屋人日記  「てるてる坊主」  8.11.2006

土屋人日記  「てるてる坊主」  8.11.2006 

佐々木優




雨がきらい 雨がきらい
トタンの屋根を叩くから
曇った音で おかしなリズムで
トタンの屋根を叩くから

母の帰りを 父の帰りを
コタツの中で握った手
寂しいのは 僕だけじゃないけど
コタツの中で握った手

マジックで書いた 線がにじんで
泣きながら笑っている
姉ちゃんと作った てるてる坊主
泣きながら笑っている

てるてる坊主 てる坊主 
あした天気になれ
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ

母を許し 父を許し
やっと自分を愛せる気がした
今となっては ただ懐かしくて
やっと自分も許せる気がした

てるてる坊主てる坊主
あした天気になれ
あした天気になれ

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高度経済成長も終わりを迎えた1970年代、共働きの両親のもとで私は生まれた。俗にいう団塊ジュニアである。木造平屋建ての古い小さな借家に住み、隙間風は冷たく、屋根に落ちる雨音はそのまま私の耳に届いた。この詩は、年子の姉とともに、貧しい家の鍵っ子であることの寂しさを、降る雨に重ねていたあの頃のきょうだいの情緒を書いたものである。みなまで言わず、暗黙の引け目のなかでともに育った姉とは、我々にしかわかりえぬ強固な連帯感のようなモノが45歳を迎えた今でも続いている。以心伝心とでも言おうか。きっと親子にもない、夫婦になんて絶対にない、同じ色でゆらゆら響くたましいなのだ。拝啓、姉上様。一雨ごとに春めきて風快い今日この頃ではありますが、ご無理なされて風邪など召されませぬようご自愛のほどお祈り申し上げます。 敬具。