ALS

「Amyotrophic Lateral Sclerosis」の頭文字をとったもので日本語表記では「筋委縮性側索硬化症」。
筋肉に命令を伝える神経が侵されてしまい、全身の筋肉が徐々に動かせなくなってしまう進行性の難病で、日本全国で現在約9600名ほどの患者がいるといわれています※1。
まだ発症に至るまでの経緯もまったくの不明で、有効な治療法も見つかっておりません。
進行のスピードは個人差が大きく、また動かせなくなる箇所もケースによって様々です。初期症状が極めて曖昧なため、最初はALSだと気づかず色々な診療科を回り歩くことも多いと聞きます。

ALSの進行が進むにつれ、横隔膜が機能しなくなります。そうしますと自発呼吸ができなくなるため、気管切開を行い人工呼吸器を装着するか、それとも「自然の死」を迎え入れるのかの選択を迫られます。現在、3割から4割の方が人工呼吸器をつける選択をされ、6割から7割の方が延命をしない選択をされるといいます。
特に気管切開をされた方は口や喉に痰がたまっても自力で排出できなくなってしまうため、吸引器を用いて「痰吸引」などの処置を行わなければいけません。
さらに嚥下機能も衰えてきますので、ある段階で胃や腸まで管を通し、それで水分や栄養を注入する「経管栄養」が必要となってきます。
ちなみにこの「痰吸引」と「経管栄養」は「医療的ケア※2」と呼ばれ、実施するには特殊な資格が必要となってきます。

facebookなどで頭からバケツに入った氷水をかぶる行為の動画を公開する「アイス・バケツ・チャレンジ」は、このALS治療法解明のための研究資金を募る目的のもので、このキャンペーンを通じてALSという疾患を知った方も少なくないと思います。
また’14年に三浦春馬主演で「僕のいた時間」というドラマが放映されましたが、これもALSを題材にしたストーリーです。

※1 日本ALS協会HP(https://alsjapan.org/
※2 医療的ケア(https://tsuchiya-houmon.com/tsuchiya-wiki/care/