メッセージ

土屋訪問介護事業所は、全ての必要な人に必要なケアを、という理念のもと、2014年6月に東京都中野区で在宅生活支援サービスの提供を開始しました。現在は、主に医療的ケアを必要とする重度の障害をお持ちの方々が、日本全国どこに住んでいても、24時間365日、当たり前のようにサービスを享受でき、住み慣れた地域で暮らし続けることができるような社会環境の整備に邁進しております。


障害をお持ちの方々の地域生活権の確立において、障害当事者による権利回復運動の取り組み、その重要性はいくら強調しても、しすぎることはありません。特に重度の障害をお持ちの方々の在宅生活に不可欠な重度訪問介護は、ノーマライゼーションとソーシャルインクルージョンを求めて努力し続けた障害当事者の、強い意志と諦めることない行動の結果として、そのライフスタイルとサービスの原型が創られたことは、周知の事実です。私たちはそのような、障害当事者が社会に投げかけた問題提起と理念を、最大限の敬意と理解をもって受け止め、それを発展的に継承しつつ共生社会の実現に向けて努めたいと考えております。


また、全ての必要な人に必要なケアを、というビジョンの実現には、ケアワーカーの社会的地位の向上、介護を仕事とする人たちに、希望ある未来、を提示することが不可欠です。そのために私たちは技術の向上、知識の深化、倫理感を醸成するための研修機会を積極的に設け、かつそれに応じた公正かつ客観的な評価制度に基づくキャリアパス体系を構築していきます。ユースタイルラボラトリーが併設するシステム開発部門と協力しながら、ケアワーカーの働きやすさを演出する円滑な業務遂行のための仕組みづくりに向けて、日夜業務改善にも取り組んでおります。


私たちが現在取り組む地域介護、地域医療において、より良いサービスの提供のためには他職種との連携が重要です。ユースタイルラボラトリーで併設する訪問看護ステーションとの協働を通じて、日本全国で、24時間365日、安心して地域でより良質な医療的ケアが受けられる体制づくりを遂行します。様々な個性や属性を持った人が共に生きられる社会の実現というミッションの普遍化を推進し、今後は知的障害を持った方々の地域生活支援や精神障害をお持ちの方々の社会的入院問題の解決などにもさらにコミットしていきたいと考えております。


介護難民問題、ケアを必要とする人がケアを受けることができないことによる諸問題、は深刻であり、社会全体で取り組むべき急務の課題と考えております。最大多数の最大幸福という思想的基盤に立脚し、社会貢献型、問題解決型の事業、ソーシャルビジネスにアイデンティティを見出す私たちは、ビジネスの効率性や速度と、社会福祉活動の理念や人間性を止揚し、その経営資源を総動員しながら、この抜本的解決に向け挑戦しつづけ、誰もが安心して生きられる共生社会を創出していきます。