筋ジストロフィー(30代 進行性)

状態
生後6か月で肺炎、急性肝炎、そして検査の結果、進行性筋ジストロフィーと判明。
子供時代から車椅子利用。学校生活は友人の応援が多くあった。
29歳で気管切開。30歳、両側気胸。現在ベッドで寝たきり、気管カニューレに酸素マスクをしている。呼吸が浅く息苦しいという自覚症状があるので、覚醒時はご家族が常時スクイージング様の手技で胸を押して、呼吸の補助をしている(ご家族は手首に負担がかかり、腱鞘炎になっている)。
痰吸引はご家族が吸引を行っている。
気管切開の関係で、口からの発声は無気音や舌で音を作る。聞き取るにはかなり慣れが必要。
食事はラコールを経鼻経管で摂取している(ご家族対応)。
以前は車椅子で家族旅行にもよく出かけていた。ワンピースやディズニーが大好き。
既に看取りに向けて、医師からインフォームドコンセントがなされた。

サポート
週2回、日中の時間帯に支援に入り、ご家族の代わりにスクイージング様の手技で呼吸の補助を行っている。ヘルパーは胸を押し続けているので、尿器介助やオムツ交換はご家族が行っている。胸を押すとはいっても、救急蘇生の心臓マッサージとは全く違う。その時のご本人の体調や息苦しさにより、「強く押して、弱く押して、もっと右、もっと左、もっと上、もっと下」の様な微調整を1日中行う。
胸を押しつつコミュニケーションを行うが、なかなか難しい。TVを見ていることが多いので、チャンネルを変えてほしいというご要望は頻発する。その際の発音は最初は聞き取れなくても、いずれ慣れることができる。しかし前後関係のない話題の場合は、聞き取ることがかなり難しい。

効果
支援を開始したばかりのころは、こちらの押し方が上手くなく、かなり不満を感じていらしたようです。しかしお互いにそこをなんとか乗り切り、今ではこちらの手技に安心して任せてもらっていると感じています(時々胸を押されながらウトウトしているので)。
ご家族の腱鞘炎の様子を見ると、もっと支援回数を増やして差し上げたいと思っています。