シャルコー・マリー・トゥース病
シャルコー・マリー・トゥース病(以下、CMT)
●概要
主に遺伝子異常による末梢神経疾患の総称。
CMTの中核症状は、末梢神経障害による四肢遠位部位(足や下腿・手・前腕など)の筋力低下や感覚低下。
一般的には0歳~20歳頃までに発症しするが、60才以降に発症される方もいる。
CMTの診断は、問診、神経学的診察、電気生理学的検査、遺伝子検査で行われる。
●発症頻度は?
一般的に、まれな病気と言われているが、欧米では1人/人口2500人、わが国でも1人/人口1万人との報告がある。
●発症原因は?
60種類上のCMT原因遺伝子が明らかになっている。
しかし、原因遺伝子異常とCMT発症メカニズムの詳細はまだ不明。
●親子間で遺伝するか?
遺伝子が関係しているが、親から子供に必ず遺伝するわけではないことに注意する必要がある。
●症状は?
中核症状は四肢遠位部の筋肉が緩徐進行性に萎縮し、同部位の感覚が少し鈍くなることがあげられる。
初期症状は、足の筋力低下(スリッパが脱げやすい、段差につまずく等)、特徴的な歩き方(鶏のように、両大腿をやや大げさに挙上し両趾先を垂れて歩く「鶏歩」)で気づかれる事がある。
軽い症状の方は「子供の頃からかけっこで遅い方だった」「子供のころから足が小さかった」など、子供の頃から出現している方が多いようである。
症状の強い患者さんでは症状の表れが幼少期、場合によっては生まれた時など、より早い段階の場合もある。
その他、目が見えにくい・音が聞こえにくいなどの症状(網膜や聴神経の障害)が合併したり、病気の進行とともに脊柱の変形を生じたりするなど多彩な症状を呈する場合もある。
●治療法は?
残念ながら現時点ではCMTに対し特異的に効果が科学的に証明された治療はない。
抗ホルモン剤や、ビタミンB12、クルクミンなどの治療効果が報告されていますが、現時点ではこれらの薬剤のヒトでの安全性や臨床効果については十分検討されていない。
しかし現在、新しい治療法の研究が進められている。
●どういう経過をたどるか?
原因となっている遺伝子異常によって異なるが、一般的には筋力低下、感覚障害が緩徐 に進行していく。
厚労省の調査では、多くの方は自力歩行または杖歩行が可能だが、車椅子を使用される方は約20%、寝たきりになる方は1%とされている。
●日常生活での注意点は?
靴や下肢装具など適切なフットケアを行うことで、機能的な改善が期待できる。
また理学療法や適度の運動は、筋力と筋の耐性を維持する上で推奨される。
手術療法が機能改善や機能維持に役立つ場合もある。
一般的にCMTは致死的な疾患ではありませんし、また寿命に大きな影響を与える疾患でもない。
CMTについて正しく理解して頂き、今後の研究成果を期待しながら、現在のADLを少しでも維持され、希望のある毎日を送っていただければと考える。
参照情報:難病情報センター シャルコー・マリー・トゥース病(指定難病10)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3773
●概要
主に遺伝子異常による末梢神経疾患の総称。
CMTの中核症状は、末梢神経障害による四肢遠位部位(足や下腿・手・前腕など)の筋力低下や感覚低下。
一般的には0歳~20歳頃までに発症しするが、60才以降に発症される方もいる。
CMTの診断は、問診、神経学的診察、電気生理学的検査、遺伝子検査で行われる。
●発症頻度は?
一般的に、まれな病気と言われているが、欧米では1人/人口2500人、わが国でも1人/人口1万人との報告がある。
●発症原因は?
60種類上のCMT原因遺伝子が明らかになっている。
しかし、原因遺伝子異常とCMT発症メカニズムの詳細はまだ不明。
●親子間で遺伝するか?
遺伝子が関係しているが、親から子供に必ず遺伝するわけではないことに注意する必要がある。
●症状は?
中核症状は四肢遠位部の筋肉が緩徐進行性に萎縮し、同部位の感覚が少し鈍くなることがあげられる。
初期症状は、足の筋力低下(スリッパが脱げやすい、段差につまずく等)、特徴的な歩き方(鶏のように、両大腿をやや大げさに挙上し両趾先を垂れて歩く「鶏歩」)で気づかれる事がある。
軽い症状の方は「子供の頃からかけっこで遅い方だった」「子供のころから足が小さかった」など、子供の頃から出現している方が多いようである。
症状の強い患者さんでは症状の表れが幼少期、場合によっては生まれた時など、より早い段階の場合もある。
その他、目が見えにくい・音が聞こえにくいなどの症状(網膜や聴神経の障害)が合併したり、病気の進行とともに脊柱の変形を生じたりするなど多彩な症状を呈する場合もある。
●治療法は?
残念ながら現時点ではCMTに対し特異的に効果が科学的に証明された治療はない。
抗ホルモン剤や、ビタミンB12、クルクミンなどの治療効果が報告されていますが、現時点ではこれらの薬剤のヒトでの安全性や臨床効果については十分検討されていない。
しかし現在、新しい治療法の研究が進められている。
●どういう経過をたどるか?
原因となっている遺伝子異常によって異なるが、一般的には筋力低下、感覚障害が緩徐 に進行していく。
厚労省の調査では、多くの方は自力歩行または杖歩行が可能だが、車椅子を使用される方は約20%、寝たきりになる方は1%とされている。
●日常生活での注意点は?
靴や下肢装具など適切なフットケアを行うことで、機能的な改善が期待できる。
また理学療法や適度の運動は、筋力と筋の耐性を維持する上で推奨される。
手術療法が機能改善や機能維持に役立つ場合もある。
一般的にCMTは致死的な疾患ではありませんし、また寿命に大きな影響を与える疾患でもない。
CMTについて正しく理解して頂き、今後の研究成果を期待しながら、現在のADLを少しでも維持され、希望のある毎日を送っていただければと考える。
参照情報:難病情報センター シャルコー・マリー・トゥース病(指定難病10)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3773