発達障害

発達障害(英語名:developmental disorders)とは、広い意味での精神障害の一つである。精神障害は、ひと言で言い表すと、「脳の障害」であり、何らかの原因で、脳の一部の機能がうまく働かないことによって引き起こされると考えられている。つまり、発達障害は、「脳の障害」なのである。同じ人が、複数のタイプの発達障害のあるとも珍しくなく、また、同じ障害がある人同士でも個人差が大きいという特徴がある。そして、必ずしも知的障害を伴うものではない。

また、発達障害は、対人コミュニケーション能力の低下や、問題解決能力、臨機応変さ、想像力や気を利かせる能力の低下などを認めるものの総称である。一般的に知的レベルは問題なく、特定の分野においては逆に優秀な人が存在するケースも多い。”空気を読めない人”もこれに当てはまる可能性がある。知的レベルは正常なので、学業成績などは問題なく、社会人になってから初めて異常が見つかり診断されるケースの増加傾向がみられる。症状は適応障害と類似する部分が多いが、環境のストレスにより発症する適応障害とは異なり、発達障害は幼児期から学童期に発症するという点で異なる。

発達障害の大きな分類・3つの種類とその特徴:
発達障害には、大きく分けて以下の4つがある。

①自閉症
一つの物事に異常に執着し没頭する、同じ行動を何度も繰り返す、常同思考で考えが変えられないなどが特徴である。常同思考とは、どんなことに対しても同じ考え方をするということを意味している。会話によるコミュニケーションが困難で、環境の変化を嫌い臨機応変に行動できず、予期せぬ出来事が起こった時にパニック状態に陥る。知的障害を併発することもありますが、暗記力や計算力などに並外れた能力を持つこともある(サバン症候群)。

②アスペルガー症候群
基本的には自閉症と同様に常同思考が顕著に観られるが、知能が正常もしくは高いことが特徴である。相手の気持ちをくみ取ることが出来ず、言われた言葉を文字通りに受け取ってしまう傾向が強い。場の雰囲気を読むことや、他人に気を遣うこと、人の顔色を読むことが苦手で、冗談、慣用句、友情や愛情表現が理解するのが難しいなどの特徴がある。学業成績は優秀なことから診断が難しく、社会人になってから初めて診断されることもあり得る。

③注意欠如・多動性障害
不注意、衝動性、多動性が特徴で、落ち着きがなくじっとしていることができないケースが多い。興味を持ったものには集中できるが、そうでないものには注意力が続かず、頭に浮かんだことを即座に行動に移すため、行き当たりばったりの行動が目立つ。金銭管理や片付けが苦手で、感情のコントロールができないためすぐに感情的になる、といった特徴が顕著である。

④学習障害
「読む」「書く」「計算する」などの基本的な学習能力のうち、特定の能力に困難さを伴うのが特徴である。文字を読んで発音がうまくできない読字障害、文字が正しく書けない書字表出障害、算数の計算がうまくできない数値処理障害などがあるが、いずれも知的障害を伴うものではない。

引用元: 時事メディカル、他。