透明文字盤

透明文字盤
文字盤とは透明の板などに、ひらがななどの50音が表になっており、会話が困難な方などが意思伝達のためのコミュニケーションツールとして使用するものである。
たとえば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の場合、徐々に筋萎縮や筋力低下が進行し、食事、会話、起立や歩行といった基本的な生活動作も困難になります。会話不能な状態となっても、手の機能が保たれている間は書字やキーボードを用いたコミュニケーションが可能ですが、これらの機能も喪失すると患者さんとのコミュニケーションはさらに困難になります。
しかし、このように高度の運動障害に進行したALS患者さんにおいても、最後まで機能が残ると言われている「視線」を使い、透明文字盤にある文字を示すことで意思の疎通が可能となります。患者さんの視線やまばたきを利用して行う文字盤を使ったコミュニケーションは、簡便かつ安価に誰でもすぐに開始できる大変有効な手段といえます。

50音が並んだ透明な文字盤を使い、読み手と目と目を合わせることによって、視線で文字を確定していく方法として以下の手順になります。
・文字盤を患者さんの顔の前にかざす
・文字を見つめてもらう
・見つめている文字が、患者さんと介護者の瞳を結ぶ視線の中心にくるように文字盤を動かす
・患者さんが見つめている文字を指で示したり、声に出して読み上げたりして確定する

文字盤の取り方は目と目を合わす方法だけではなく、患者さんや読み手が色々工夫した方法があり、文字盤自体も生活に合わせて、それぞれ工夫があります。
患者さんと介護者双方にとって使いやすい文字盤の活用、方法の確立がとても大事です。

透明文字盤


透明文字盤(フリック式)