障害者マーク|種類とそれぞれの意味

1.障害者のための国際シンボルマーク

障害者のための国際シンボルマーク

1969年に国際リハビリテーション協会によって定められた、障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークです。マークの使用については国際リハビリテーション協会の「使用指針」により定められています。駐車場や公共施設などでよく目にします。
車椅子のデザインなので誤解されている方も多いのですが、このマークは障害を持つすべての人のためのマークであり、車椅子を利用している方限定ではありません。
また、このシンボルマーク自体に法的拘束力は何もなく、何か特別な法的な効力はありません。
例えば、車にこのステッカーを貼っていたとしても、優先的に駐車場を使わせてもらえたり、幅寄せや割り込みをさせないというような効果はなく、ただ周囲に対してアピールする程度のものです。


2、盲人のための国際シンボルマーク

 盲人のための国際シンボルマーク

世界盲人連合で1984年に制定された盲人のための世界共通のマークです。
視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などに付けられています。
信号機や国際点字郵便物・書籍などで身近に見かけるマークです。
例えば、横断歩道でこのマークが付いた歩行者用信号ボタンのある信号機は、視覚障害者が安全に渡れるように信号時間が長めまたは、音楽が流れるように調整されています。このマークを見かけた場合には、視覚障害者の利用への配慮について、御理解、御協力をお願いします。


3.身体障害者標識(身体障害者マーク)

 身体障害者標識(身体障害者マーク)

肢体不自由であることを理由に免許に条件(車内に運転補助装置を備えるなど)を付されている方が運転する車に表示するマークで、マークの表示については、努力義務となっています。
努力義務ですので、付けてないと言って違法状態とまでは言えません。もちろん罰則もありません。
ただし周囲を走る車両に関しては規定があり、危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。


4.聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)

聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)

蝶々の形に見えるこのマークは 、聴覚障害であることを理由に免許に条件(ルームミラーにワイドミラーを取り付けるなど)を付されている方が運転する車に表示するマークです。
身体障害者標識と違い表示を義務付けられており、違反した場合には罰金を科され、原点処分となります。(初心者マークと同じ扱い)
また、危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。
マークの由来は、両耳の形を模していて、さらに「聴(覚)」と「蝶」にちなんでいるなどの説があります。


5.耳マーク

耳マーク

聴覚が不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークです。
聴覚障害者は見た目には分からないために、誤解されたり、不利益をこうむったり、社会生活上で不安が少なくありません。
このマークを提示された場合は、相手が「聞こえない・聞こえにくい」ことを理解し、コミュニケーションの方法等への配慮が求められます。


6.ハート・プラス マーク

ハート・プラス マーク

ハート・プラスマークは内部障害や内臓障害の理解や協力を広げるために作られた障害者マークです。
身体内部(心臓、呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害がある方は外見からは分かりにくいため、様々な誤解を受けることがあり、このマークによって視覚的に認知してもらう意味もあります。ハート・プラスマークを所持している方は一見元気そうに見えても、何かしらの障害を抱えていますので、携帯電話の使用を控えたり、公共交通機関での優先席を譲るなどの配慮が求められます。また、障害者用駐車スペースに停めたい、といったことを希望していることがあります。


  7.ヘルプマーク

 ヘルプマーク

赤地に十字とハートが記されているこのマークは、外見では健康そうに見えても、義足・人工関節を使用している方、内部障害・難病をお持ちの方、または妊娠初期の方や精神障害、発達障害知的障害などで、援助や配慮を必要としていることを知らせるマークです。ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車・バス内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をお願いします。元々は東京都で作られたマークでしたが、2017年より全国共通のマークとなりました。また、突発的な事故や災害などに対して状況把握をはじめ、臨機応変な対応も困難な場合がありますので、周囲の声掛けや支援が必要です。


8.オストメイト用設備/オストメイトマーク

 オストメイト用設備/オストメイトマーク

オストメイトとは病気や事故が原因で人工肛門・人口膀胱を増設している人を指します。
このオストメイトマーク(JIS Z8210)は、オストメイトの為の設備(オストメイト対応のトイレ)があること及びオストメイトであることを表しています。オストメイトの方は通常のトイレでの排泄は難しく、使用器具の洗浄装置やシャワーなど排泄をサポートする設備が必要です。 御理解の上、御協力をお願いします。
このマークは主に、駅や病院などの公共機関や多目的トイレなどの入口・案内誘導プレートに表示されています。


9.ほじょ犬マーク

 ほじょ犬マーク

身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。
身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことを言います。「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設は、身体障害のある人が身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務があります。よって、補助犬を同伴することのみをもってサービスの提供を拒むことは障害者差別に当たります。
補助犬は社会のマナーもきちんと訓練されており、衛生面でも管理され、障害者の体の一部となって働いています。ほじょ犬マークではこの理解をより深めて貰うためのものです。
補助犬を同伴していても使用者への援助が必要な場合があります。使用者が困っている様子を見かけたら、積極的にお声かけをお願いします。


10.「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク

「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク

こちらは「白杖SOSシグナル」の普及啓発のために作られた障害者マークです。
白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。
視覚障害者は生活のあらゆる場面で助けを必要とします。その際に白杖を掲げることで周りに「助けを必要としている」というSOSのサインを出そう、という提案が福岡県盲人協会によってなされました。
その白杖SOSシグナルを視覚障害者含めたくさんの人に知ってもらう意図で作られたのが「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマークです。
白杖によるSOSのシグナルを見かけたら、進んで声をかけ、困っていることなどを聞き、サポートをしてください。


11.手話マーク

手話マーク

耳が聞こえない人が手話でのコミュニケーションの配慮を求めるときに提示したり、役所、公共及び民間施設・交通機関の窓口、店舗など、手話による対応ができるところが掲示できます。
また、イベント時のネームプレートや災害時に支援者が身に着けるビブスなどに掲示することもできます。耳が聞こえない人等がこのマークを提示した場合は「手話で対応をお願いします」の意味、窓口等が掲示している場合は「手話で対応します」等の意味になります。


  12.筆談マーク

筆談マーク

耳が聞こえない人、音声言語障害者、知的障害者や外国人などが筆談でのコミュニケーションの配慮を求めるときに提示したり、役所、公共及び民間施設・交通機関の窓口、店舗など、筆談による対応ができるところが掲示できます。また、イベント時のネームプレートや災害時に支援者が身に着けるビブスなどに掲示することもできます。
耳が聞こえない人等がこのマークを提示した場合は「筆談で対応をお願いします」の意味、窓口等が掲示している場合は「筆談で対応します」等の意味になります。


  13.マタニティマーク

マタニティマーク

このマークは、妊婦さんが交通機関等を利用する際に身につけ、周囲に妊婦であることを示しやすくするものです。また、交通機関、職場、飲食店等が、呼びかけ文を添えてポスターなどとして掲示し、妊産婦さんにやさしい環境づくりを推進するものです。妊娠初期は、赤ちゃんの成長はもちろん、お母さんの健康を維持するためにもとても大切な時期です。しかし、外見からは見分けがつかないため、「電車で席に座れない」、「たばこの煙が気になる」など妊婦さんにはさまざまな苦労があります。

14.障害者雇用支援マーク

障害者雇用支援マーク

公益財団法人ソーシャルサービス協会が、障害者の在宅障害者就労支援並びに障害者就労支援を認めた企業、団体に対して付与する認証マークです。障害者の社会参加を理念に、障害者雇用を促進している企業や障害者雇用を促進したいという思いを持っている企業は少なくありません。
そういった企業がどこにあるのか、障害者で就労を希望する方々に少しでもわかりやすくなれば、障害者の就労を取り巻く環境もより整備されるでしょう。

精神障害者に関するマーク
精神障害者、知的障害者、発達障害がある方で支援や配慮が必要な方はヘルプマークを利用することができます。ヘルプマークはそういった、外見ではわからなく誤解を招く可能性がある場合や、周囲の方に支援や配慮を必要としている意思表示をするためのものでもあります。

参考:内閣府「障害者に関するマークの一例