障害の種類(身体障害、知的障害、精神障害の分類)

現在(2017年度)、日本における障害者の総数は936.6万人であり、人口の約7.4%に相当。 そのうち身体障害者は436.0万人、知的障害者は108.2万人、精神障害者は392.4万人である。
障害者数全体は増加傾向にあり、また、在宅・通所の障害者は増加傾向となっている。

身体障害
先天的あるいは後天的な原因により、身体機能の多くの部分ないしは一部に障害が生じている状態のこと。
身体障害は、大きく5種に分類される。

1. 肢体不自由
医学的には、先天性か後天性かを問わず、四肢の麻痺や欠損、あるいは体幹機能に永続的な障害がある状態のこと。身体障害のうちで最も割合が高く、身体障害者手帳を交付されている人の約半数を占める。原因としては脳性麻痺、脊髄損傷、脊椎脊髄疾患などがある。これらの原因によって、正常ではない同じ姿勢や動きを長期間続けることによって、身体の変形、気道や尿路の感染症などの二次障害が見られることも少なくない。

2. 内部障害
疾患などによって内臓の機能が低下している状態のこと。内部障害とは内臓機能障害の総称で、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害の7つを指す。外見からは見えにくい障害のため、周囲からの理解を得にくい、配慮を受けにくいなどの問題がある。

3. 視覚障害
眼球、視神経および大脳視中枢などで構成される視覚系のいずれかの部分に障害があるため、見ることが不自由または見えなくなっている状態のこと。見え方には個人個人で差異があり、視力が低くなるまたは視野が狭くなる(弱視)、光も感じない(全盲)など様々。

4. 聴覚障害
外部の音声情報を大脳に送るための部位(外耳・中耳・内耳・聴神経)のいずれかに障害があるため、音を聞くことが不自由、または聞こえなくなっている状態のこと 聞こえ方には一人一人で差異があり、聞き取り辛くなる、音は聞き取れるが内容が聞き分けにくくなる、補聴器をつけても音や音声がほとんど聞き取れなくなくなる、など様々である。

5. 音声機能障害
咽頭、発声筋等の音声を発する器官の障害により、音声のみを用いて意思の疎通をすることができない、または音声をまったく発することができない状態のこと。

知的障害
発達期(18歳未満)までに生じた知的機能の障害により、認知能力(理解・判断・思考・記憶・知覚)が同年齢の人と比べて明らかに遅滞している状態のことで、度合いによって、重度・中等度・軽度に分けられる。原因は大きく以下の3種に分類される。

1.病理的原因
先天性疾患(染色体異常など)、出産時の事故(酸素不足など)、生後の高熱などによるもの。
脳性麻痺、てんかん、心臓病などを合併している場合もある。

2.生理的要因
身体に特別な異常は見られないが、脳の発達障害によって知能が低い水準に偏ったと考えられるもの。障害の度合いは軽度〜中等度であることが多く、知的障害を持つ方の多くは本要因とされる。

3.心理的要因
児童虐待など、著しく不適切な発育環境に置かれていることによるもの。

精神障害
身体障害に比べて医学的な研究が未発達な部分が多く、精神疾患の定義や診断基準が統一されていないため、同じ症状でも分類法によって病名が変わる。
一般的によく耳にする種類としては、人格障害(人格が著しく偏り、社会生活に支障が出る状態のこと)、物質依存症(アルコール、ドラッグなど特定のものに依存する状態)、統合失調症(思考、知覚、感情などが歪み、幻覚や妄想などの症状が出る状態のこと)、躁鬱状態などが挙げられる。