パピヨン

パピヨン

辻 千鶴子




有難いことにマネージャーと名乗る職を本年よりいただき、充実しているを通り越すほどの多忙な毎日を送らせていただいている。
今思えばこの会社に入社してからは、暇だと思ったことはあまりないかもしれない。
そんな中、家で手短に楽しめる娯楽といえば映画に限る。私は無類の、ではなくジャンルは偏っているが大の映画好きで今まで800本弱ほど観ている。成人してからは学生モノやアニメは苦手になりほとんどがサスペンスやSF、ドキュメンタリー、コメディーだ。
食事と一緒で気分によって選ぶ課程の楽しさもあり、自分の中でマイブームがあるとそれにまつわるものを網羅したくなる。例えばバッドマンなら何度もリメイクされている為、見比べるのも面白いのだ。言い回しやファッションに時代を感じることができたり、劇中の音楽や食事も見ていて興味深く様々な視点から楽しめるのも映画の良さのひとつだと思う。
そんな私もこんなご時世、気軽に映画館も行けない日々が続き今年に入ってはまだ数本しか観ることができいなかった。先日久しぶりに観ることができたのが『潜水服は蝶の夢を見る(2017)』だった。
以前から気になっていたものでもともと原作が本であり、著者のノンフィクション映画である。世界的に有名なファッション誌の編集長を務め妻子もありまさに人生を謳歌していた矢先に、40代前半という若さで発作に見舞われ原因不明の閉じ込め症候群(Rocked in syndrome)を患ってしまう男性の物語である。
これを言うと苦手意識を持たれる方もいるかもしれないがフランス映画らしいユーモアが効いており、決して単に悲しかったり重かったりする映画ではないことはお伝えしておきたい。
むしろ人生を謳歌している人はどんな状況でも力強くいながらも鮮やかな想像力を持ち、想像の羽をどこまでも伸ばし最終的には””まばたき””ひとつで世界中に自分の世界を知らしめるのである。
人生は与えられたカードをどう使うか、選択の連続、などとよく言いますが、この主人公はまさに自分の与えられた試練また環境など様々なものを飲み込んで昇華させているのである。
なくしたものを挙げればきりがないはずの人間がこんなにもしなやかに生きていけるのかと勇気と教訓をもらった気持ちです。
柳のようにしなやかに、たおやかに生きていきたいですね。新型コロナの渦中から抜けきれないこんな時期にこそぜひ、観てみていただきたい作品です。

最後に、彼の人生に拍手と追悼の祈りを捧げたい。




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