相談支援員様からのご依頼で、60代の筋ジストロフィーの女性の方でした。
初めてお会いしたのはご入院中の病室。今も印象に残っております。
利用者様はお若い頃お仕事をされていたのですが、発病と共に闘病生活に移行。
現在はご主人と一緒にお住まいでしたが、ご主人も足に障害をかかえていらっしゃる関係で介助はヘルパーが頼りになってきます。
ご夫婦の希望としては、早く在宅生活に戻りたいとの事でした。
体内に二酸化炭素が溜まってしまう特殊な体質で、訪問時に入院されていたのはそれが原因でした。サービス開始にあたって課題とされたのは大きく3点ありました。
一つは食事介助についてです。
入院中に若干のADL低下があり、嚥下能力が下がってきている。
その為在宅生活に戻れたとしても今までと同じような食事は摂れないので、食事の形態については事業所間で協力して統一した形にしていく必要がありました。
利用者様大好きなおせんべいも、ふやかして提供しなければいけなくなってしまったので、それを残念がっておられました。
二つ目は移乗についてです。
ベッド⇔車いす間の移乗は、お姫様抱っこの形での移乗になるので、女性ヘルパーでは出来る人と出来ない人が出てきてしまう恐れがある事と、在宅と病院ではまた室内の勝手が違うので、院内で移乗が出来たとしても、ご自宅に戻られた際に同じように出来るのか?という問題もありました。
体重が軽い事が幸いして、院内では弊社のヘルパーでも持ち上げる事が出来ました。
在宅では家具の配置的にヘルパーの体の取り回しがしにくいのでは?という事で、リフトを導入する事で解決を図りました。
しかし、利用者様としてはリフト使用は抵抗あり今まで通りのやり方を希望されておりましたが、無理をして移乗介助をして万が一にも落としてしまったら大ケガに繋がりますし、身体的な負荷が強いケア方法ですとヘルパー離脱の原因にもなりかねないので、支援員さんや他事業所様が根気強く説得を重ね、渋々ではありますがご了承いただく事が出来ました。
三つ目は排せつの介助についてです。
介助方法が少し独特だった為、経験の浅いヘルパーだと対応できないのではないかという懸念がございました。
こちらは、お付き合いの長い他事業所様のヘルパーさんにご協力いただく形で研修を実行し、無事解決致しました。
サービス開始時は、ご自宅の改修作業。ある事と、まだ利用者様の体調が安定しないという事で、院内での支援スタートでした。
これは私の中では初めての経験でした。
その後体調も落ち着き、無事に退院されてご自宅にお戻りになり、住み慣れたご自宅での生活を送られています。
現在も継続してケアを提供しておりますので、引き続き支援を継続できるようにしてまいります。