介護に触れたきっかけと現在

新島 怜


まずは、24歳の僕が介護に触れたきっかけからゆっくりと話していこうと思います。

きっかけは真夏の8月頃。運搬や配送の仕事をしながらなんの気無しに過ごしていた20歳の自分。クーラーを浴び、自宅でアイスを食べながら映画を観ていたそんなある日、家のポストに一通のビラが入っていました。
それは、「介護を楽しもう!求人募集中」の文字。
僕はその時は何も考えずにポストから家まで持っていき、変わらない日常を過ごしていました。
そうこうしていると、兄がそのビラを手に持ち「これ家から近いし面接行ってみたら?」というひと声から、僕の介護の道が始まりました。

その時の僕は「自分に人の介護なんて出来ないよ」「合うわけがないよ」と話していたのを今でも覚えています。
同時に「やらない事には分からないよな」という気持ちも芽生えてきて、当時の職場へ足を運び面接をしていただき高齢認知症の方々がご利用する「デイサービス」という「地域密着型通所介護事業」に足を踏み入れました。
全く新しい職場に経験をした事のない職業。実際に働いてみると、「汚い」よりも「楽しい」を感じる日々。
確かに様々な排泄介助方法があり、介護の日常への「汚い」というイメージは払拭出来る訳ではない。
だが、おじいちゃんおばあちゃんとの日々の会話の中でほっこりするお話しだったり、はたまた戦時中のお話しだったり…レクリエーションという項目の中で共に寄り添い協力して答えを出し合う姿など、それは僕の今までの日常の「仕事」「業務」「いつもと変わらない生活」というものから大きくかけ離れた場所でした。

そこからというもの僕はまず「人の話をよく聞き、判断する」という事が身に付き介護に携わる以前と比べ「考えるという事」の時間が無意識に多くなっていったのを覚えています。
寄り添いひとつでも、「何故こう伝えてきたのか」など相手の気持ちを理解する心が大切で、それは介護に関わらずとも生活をし人と関わっていく中で、人生で、とても重要な繊細で大きな題と感じています。
つい忙しいと「相手の気持ち」を感じようとせずに自分本位に行動してしまう…。そのような出来事が皆さんにも、生活の中で多々あるかと思います。
そういった自己の深い部分での「成長」や「学び」を介護から知り、忙しくも自分にとって有意義な日々を「介護」という仕事に就きながら今も過ごしています。
きっかけは認知症を患っている高齢者の介護です。現在は「重度訪問介護」という分野。「介護」という同じ言葉だが「ケアの仕方」「求められる対応方法」などが当然全く違います。
ご利用者様の年齢にも違いがあり、10代から80代など。
けれど本質は変わらず「相手の気持ちを理解する事」がとても重要と感じています。
まずは「相手を知る事」そして「よくみて観察する事」「いつもとの違いを見分ける事」など様々な感覚が大切で、それは業務でもあると同時に「人への寄り添い」でもあると感じます。
未熟で至らない部分が多くとも、日々やりがいを感じ楽しみ、「ありがとう」という言葉を投げかけていただけるそんな職業でもあり、人として成長が出来る空間でもあります。
僕はそんな空間が大好きで、心に寄り添いはたはた日常の活力や元気をいただけたりという日々を「介護」というものから受け取っているような感覚です。

これからも毎日を自分にとって楽しく、ご利用者様にとって有意義な日々を送っていただけるよう「考える事」を大切にして生活していきたいと思います。
これが僕の職業です。

短くはなりましたが、以上が僕が介護を始めたきっかけとその必要性についてのお話でした。お読みいただきありがとうございました!


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