2019-08

コラム

安楽死

これほど自殺する人が多い日本社会において、安楽死という言葉の偽善性をずっと考えてきた。私達は死ぬことをあまりに恐れて安楽死という言葉を作った。しかし、どんな死でもたとえ、悟りを開いた行者の死でも、その死が安楽かどうかは誰にもわからないはずだ。昔はお年寄りのなかに、老衰という名の...
コラム

「秋」の俳句へのいざない

ELSにて日頃よりご活躍の皆さま、お疲れさまです。厳しい残暑が続いておりましたが、肌を焼くような夏の日差しも、ようやく影を潜めつつあります。まもなく秋の到来ですね。 私はこの時期になると、夏の暑さの鬱憤を張らすために、武蔵野の各地でランニングを再開するのですが...
コラム

一流の介護士とは

重度訪問介護事業に携わっている中で、非常に難しいと感じることがあります。それは、利用者とヘルパーのマッチングです。人と人なので、相性だと言われればそれまでなのですが、せっかく予定を調整して利用者に派遣したヘルパーが、たった数十分の顔合わせでうちには合わないと利用者からお断りをされてしまったり、イメージしていたもの...
ブックレビュー

「あなたは本当にLGBTを知っているか」新潮新書『新宿二丁目』伏見憲明著

「LGBTの聖地はどのように誕生したか」という虹色のド派手な帯文に惹かれ手にしました。この本は、国の内外を問わず著名人も何故か(何故でしょうね)訪れるという、世界に冠たる新宿二丁目が、如何にして特殊な人々を惹きつけ、そのような街のままで今日あり続けるのかということを、自身もゲイであり、ゲイバーを経営する著者が、古...
ブックレビュー

「聴く」ことの力―臨床哲学試論 鷲田 清一 (著)

学生時代に友人から紹介され、この本との出会いがきっかけで私は介護の仕事をしてみようと思った。 まさに私の人生の方向性を決定したといってもいい作品である。 本作品プロローグの一節を引用したい。 聴くことが、ことばを受け止めることが...
コラム

やって差し上げたいんですけど、、、 

重度訪問介護の現場では、利用者様や利用者ご家族からの依頼に対して、「やって差し上げたいんですけど、、、(できないです。)」と回答しなければならない場面が多々ある。  このような場合、利用者様や利用者ご家族は今後の在宅生活について強い不安を感じられ...
コラム

「こっちは金払ってんだ、なんでそんなこと位やってくれないんだ!」

サービス業に従事している人がかなりの確率で浴びされるこの言葉。しかも、大半のケースでは、客の方から無理難題な要求を突きつける時に使われる常套句のようです。ちょうど1年前、私の講話を聴いてくださっていた受講生のお一人から次のようなご質問がありました。『時々、非常に強い態度に出られる、障がい者の利用者さんに出会うこと...
コラム

時には治療共同体のように

障害を持った方々と過ごすなかで私が学んだことは、あるがままの自分の存在を受容するという生き方のスタイルである。 私たちには他者と自分を評価する価値観がある。知力、体力、容姿、収入、社会的地位などなど、多種多様な角度から、他者を評価し、自己を評価する...
コラム

ユースタイルラボラトリー(ESL)との出会いと、仕事を通しての学び

本文では、私がこのお仕事に出会った経緯と、日々の職務で感じることを、拙い文章ながら記述させていただきたいと思います。ご笑覧頂ければ幸いです。 昨今、多様な職種がひしめき合い、ラットレースさながらにしのぎを削る中で...
コラム

ケアハラスメント考

重度訪問介護は、最低10時間の基礎研修を修了すれば従事できる仕事です。当社では、医療的ケア従事者を養成したいので、基礎課程と追加課程を併せた重度訪問介護従業者養成研修統合課程をメインに開講していますが、それでも20時間半で修了します...
コラム

自立とは何か? ―それは、依存先を増やすこと―

ESC受講者の皆さんに私は講話の中で、改めて考えていただきたい事柄として、「人の自立」そして「自己責任」を挙げて問題提起をしています。 一般的に言えば、人が自立するということは、「毎日の家庭生活、社会的生活に必要な動作・行動が全て自主的に行え...
コラム

重度の方も在宅へ

土屋訪問介護事業所では利用者様の退院、在宅復帰を全面的に応援している。実際に退院検討の段階から退院プロジェクトに参加させていただき、利用者様の退院を実現した実績を多数有している。私が現在関与している兵庫県エリアだけでも、2019年1月~6月の半年間で6名の退院支援があり...
コラム

人たらしのススメ――福祉歓待論

差別解消法時代。障害者差別解消法が2016年4月に施行された。この法律は障害を理由とする差別の解消を目的としている。障害の有無にかかわらず、どんな人でも等しく社会参加の機会が保障されなければならない。みんな同じスタートラインに立とう。それがこの法律の趣旨だ。 ということは...
コラム

たまたまです、あるいは脱PDCA

次のように答える。「たまたまです。」また、次のような質問をいただくこともたびたびある。「なんでユースタイルラボラトリーの立ち上げに参加したんですか?なんで土屋訪問介護事業所を立ち上げることになったんですか?」同じように答える。「たまたまです。」答える、というより、答えざるをえない、なぜなら事実だからだ。2か所の大...
コラム

「稀有な共生家族を生きてきた節目に 〜“苦の中の未来”によせて〜」

私は今、46歳だが、23歳になった娘がいる。 私が23歳の時に授かった娘であり、 その同じ年齢を今、娘が迎えたことに幾ばくかの感慨を覚える。 娘の名前は安積宇宙(あさかうみ)。「宇宙」と書いて「うみ」と読む...
コラム

そもそも介護・介助の目的とはー障害当事者の目線から

この記事を書いている筆者自身は、現在、妻と娘の三人家族で生活していて、身体状況もまだ、それほど多くの生活場面で介護・介助を必要としていないので、プロのヘルパーさんのお世話にはなっていません。しかしながら、以前、一人暮らしをしていた頃や妻が妊娠中の時期には、家政婦さんに週に数回来てもらったり、電車を使っての外出の際...