新生活について

内山恵理




 私が介護という職に興味を持ったのは、中学三年生の時でした。祖父は定年退職をしてから、日に日に認知症が進行していってしまい、ついには寝たきりの状態になってしまいました。
祖父母の家はお金に余裕があるとは言えず、ヘルパーの方を呼ぶ事も出来ず毎日祖母が祖父のお世話をしていました。 高校生になり、進路を決める時も私の心の中では「介護をやてみたい」という気持ちがくすぶっていました。 しかしながら日々テレビやインターネットで介護職の厳しさを聞いたり、今後の人生を介護に捧げていく勇気が無かった私は市立の大学に入り、民間の企業で事務員として働くことになりました。

 事務員として働くことに特別やりがいは感じられず、ただ毎日のルーチンワークをこなす日々でした。新入社員として入社して半年ほど経ったある日、家に帰ると祖母が亡くなったという報せがありました。 朝方にくも膜下出血で亡くなったそうです。それからというもの、私の心の中には何か言い表しがたいモヤモヤとした気持ちと、「こんな会社で目標も無く働く自分」へのすっきりとしない気持ちが大半を占めていました。


 私に転機が訪れたのは今年の4月でした。私の従兄弟が突然死しました。残された従兄弟の奥さんや娘を見て、「命の有限」さに気づかされました。 また、これまでの人生を何となくで決めて楽に生きていた自分が何だか嫌になりました。病気などで苦しんでいる人の生きるお手伝い、家族が普通に暮らすお手伝いがしたいと思いました。

 こうして私はご縁があってこちらで働いていくことになりました。私にとっての新生活は新しい仕事へ挑戦するスタートでもありますし、過去の苦労もせず、生きてきた自分へのけじめの意味もあります。 まだ介護とは何か、どうあるべきかなどは分かりませんが、仕事を続けて行って、利用者様とのコミュニケーションを通して探していきたいと思います。

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