それは「弱い」のではない。~自由を味方にGOGO~

田中春菜



もうすっかり秋の空ですね。この季節の空気が、とてもとても、すき。長時間支援で疲れたあとも、秋というこの季節を存分に感じることで心身共にほぐされてゆきます。そのたび、ひとりで抱え込んじゃだめだなと気づかされます。ヒトでも自然でもモノでもなんでもいいから「解放」できる場所を見つけ、身体全体に良い気を循環をさせる。いい「状態」でいることでパフォーマンスは格段と上がります。自分の機嫌は自分でとる、そうやっていつも自分の状態ケアに気を付けながら日々過ごしております。

皆さん、突然ですが、新しく始まった朝の連続テレビスカーレットはご覧になっていますでしょうか?スカーレットの舞台となる信楽は私の育った滋賀県の南部に位置します。昔から焼き物が有名なまちで、たぬきの「信楽焼き」が有名です。そして私事ではありますが、信楽は私にとってとっても思い入れが深い場所なんです。

私は大学時代京都造形芸術大学で芸術を学んでいました。カメラの授業を受けた日のことです。もっと学びを深めたい!と、その日のうちに先生に「なんでもします、勉強させてください」と頭を下げに行ったのが、若いなぁと懐かしく思う。そこから社会人として人間としての怒涛の指導が始まった。授業の合間や休みの日を使ってカメラマン先生と一緒にアシスタントとしてノーギャラで現場に同行した。まぁ~めちゃめちゃ怒鳴られました苦汗

それでも必死に食らいついて仕事した現場が、スカーレットの舞台である「信楽」である。トリエンナーレに使う職人さんのポートレートを撮りに窯場を回る。熱い熱い夏のことだった。そこで心身ともに鍛えられ感性も磨かれ、そしてなによりもいろんな「出会い」があった。いろんな職人さんたちやその家族さんとコミュニケーションする中で、「うちでお手伝いしてみぃひんか?」と声をかけてくれた窯元があった。他にも「いつでもうちにあそびにおいでや」と言ってくれるアーティストさん。ほんっとに暖かくって、うれしかった。コミュニケーションに秘めるパワーをこの時初めて知ったように思う。

卒業後は就職せず、誘っていただいた窯元さんちで居候しながらお手伝いという人生経験をした。陶芸家だけでなく他アーティスト、作家さんともたくさん関わらせて頂いた。若さゆえに、迷惑もかけた。存在がアートだね。と言われるくらいこのころは自由だった。=強かったなと思います。無敵だった。生まれてから23歳くらいまでこんな調子で破天荒だった。そんなこんなでこころが動くままに感じたままに行動して自分なりに勉強した1年間。もちろん不安なこともいっぱいあったけど、貴重な1年間を過ごせたことに、まずは家族に感謝したい。

じぶんは何がしたいかわからなかったけど、卒業後2年目からはとにかく働いた。働いて働いて、、、ふと気づいた。あれ?今まで無敵だった自由なこころはどこにいってしまったんだろう。性格が180度がらっと変わった自分がいた。社会やプライベートにもまれて5年ほどたち、偶然ユースタイルラボラトリー土屋訪問介護と出会った。入社して1年ちょっとすぎたあるひのことだった。

Aさん「わたし、小学生のころからすぐお腹痛くなっちゃうんです、遠足の前とか」
わたし「わかります、わたしも何かあるとすぐ緊張して、からだに反応がでちゃいます。ほんっと弱いんです、、」

先日こんな会話をしていました。
Aさん「わたしはよくお腹いたくなって医者に診てもらってそのたびに”こころの問題ですよね”って言われつづけてきた。でもその時”怒り”を覚えたんよね。わたしが弱いってこと?!って。でも、わたしもあなたも弱いんじゃないと思う。」

そう、わたしたちは弱いのではない。幾度となく回復してきた。レジリエンスが高いといえるでしょう。レジリエンスとは「回復力」「復元力」または「弾力性」とも訳され、ストレスといった外的な刺激に対する柔軟性を表す言葉です。ストレス社会と言われる現代において、レジリエンスは心身ともに健康を保ち、仕事で成果を出すために必要な要素として注目され続けています。最も広く使われている定義では、「逆境に対する反応としての精神的回復力や自然的治癒力」「ストレスや逆境にさらされても、適応し、自分の目標を達成するために再起する力」と表現されています。心身共に健全な状態で長生きした者、仕事で成功を収めた者など特定していったところ、いずれも高いレジリエンスが確認されています。

私はレジリエンスが高いほうだと自負している。しかし、生まれつきではない。レジリエンスが鍛えられたのは、この土屋に入ってからである。なぜか?

土屋は「自由」だった。螺旋階段を上ったあの時の私が蘇ってきた。

いつの日か自由なこころが奪われ淡々と生きてきましたが、ここでは仕事も自由もどちらもあった。自由だから働き甲斐があり自分のモチベーションが維持できた。そして尊敬するかけがえのない仲間や上司たちに出会えた。そしてレジリエンスは生まれた。もちろん今でも沢山傷つくし、小さなことでへこむこと多い。でもそれは「弱い」んじゃない。回りの環境やひとの手助けをもらって、自由なこの場所で今日も私は立ち上がる。




田中春菜(平成2年3月生まれ29歳 三人姉妹の真ん中 京都出身滋賀育ち)

2012年京都造形芸術大学空間演出デザイン学科在学中から卒業後、artのチカラで京都や滋賀の様々な地域活性化プロジェクトに参加。その後お金を貯めようと始めた夜勤の工場勤務は体力勝負の男性社会。繊細さが必要とされるガス溶接や最終重要検査等を任されチームのサブリーダー担当。2015年友人の「あなたには介護があうとおもう」の一言で未経験で介護の世界に飛び込む。高齢者施設にて慈悲の精神を育む。レクリレーション介護士2級、介護福祉士等取得。2018年7月ユースタイルラボラトリー入社。現場スタッフを経て全国各地で支援並びにコーディネート、マネジメントを担う。ライフワークとしてやってきた舞台やパフォーマンス、コンテンポラリーダンス、コーチングでの経験を生かし、リラックスマインドを大切にしながら、自らを「解放」し「潜在的に眠っている才能」を目覚めさせ「生きやすさ」に繋がり「在り方」を見直すきっかけとなるよう、共に成長し続けるチーム作りに貢献したい。趣味は、さんぽ、ひるね、子供と戯れること。



訪問介護サービス
新規のご依頼はこちら

介護スタッフ
求人応募はこちら

コラム