私、介護ってなんだろうって思っていました

金子 雅博



私は47才でユースタイルラボラトリーの門を叩かせていただきました。今までの職歴は飲食業業20年と医療事務を4年間経験しており、業種としてはサービス業を中心に経験を重ねてきました。
趣味はランニング、筋トレ、料理、カラオケたまにアニメ、あとキャンプ、ゴルフ、飲み歩き、涙活など時間の足りない日々を過ごしており、両親も健在で、お世辞にも介護の世界と関わることのない人生を歩んで来ました。転職年齢としても体力勝負という印象の強い介護業界は、一般の47才男性的に考えれば、躊躇する方も多いのではないかと思います。

それでも今回私が介護業界に決めた理由は、法改正以降、近年介護の業界が伸びている情報もあり、自分の残りの人生をかけるなら、伸びている業界で活躍したいという安直な考えと、知らない業界があるなら知ってみたいという興味がスタートでした。もちろん「すべての必要な人に、必要なケアを届ける。」という企業理念も言葉では目にしても、想像できるものではありませんでした。

そんな私ですがそれでも介護の世界に興味を持つきっかけとなったことが2つあります。
一つ目は義兄の他界で、彼は脳腫瘍で5年前に他界しました。余命半年を過ぎたころには自身のことはできなくなり、自宅で介護生活となっていたと聞いていました。
その後、落ち着いたころに当時の話を姉に聞いたところ、国の補助でそんなに負担なくヘルパーさんに来てもらえて助かったと聞き、そんな便利な制度があるんだと驚いたのを覚えています。
もう一つは昔の会社の部下の話です。重度の「てんかん」で高次脳障害をもって生まれたお子さんを介護するために転職され、転職後もたまに連絡をとっているとき、酸素ボンベをつけないと生活できず、コミュニケーションも全くとれない状況でしたが、成長するお子さんの話を嬉しそうにする姿を見てご家族の愛の深さと思いを強く感じました。

転職に際し、あらためて介護の世界について調べてまず驚いたのは、介護待機難民が270万人もいるという事実でした。飲食業時代にパートさんを雇用していた時、一人のパートさんの向こうにはそのご家族の生活がかかっているから、正しい雇用と勤務をさせる義務が使用者にはあるという話を聞かされました。
そう考えると、270万人の向こうには障がい者自身の生活だけでなくその介護にあたるご家族、恐らく約540万人の親御さんやご親族、そしてその一人一人の生活があるということです。
初めて長時間の見守り介護に入った際、最も印象的だったのはご家族が私たちの邪魔をしないように動いてくださることでした。
そして、お子様のお世話を他人の私がさせていただいているのに、「ありがとう」と言ってくださいました。本来であればお子様のお世話は、特にお母さまはできれば自分でしたいと思っていらっしゃると思います。
それでもご自身が忙しい中、土屋に助けてもらっていると感謝してくれていることに何よりの感銘を持ちました。

私は介護はただ不自由にされている方の面倒を見る仕事なんだろうと思っていました。
しかしその本質は、確かに税金の補助がないと使えないものかもしれませんが、国が一人ひとりの人権に寄り添ったものだと感じました。
そして、義兄が自分らしい最後を迎える補助を国が社会福祉として行ってくれていたことに改めて感謝したのはこの会社に入って知ることができたからです。
また、ご本人が人間らしい生活をする支援だけでなく、ご家族一人ひとりの人生に寄り添い、障がいをもつお子様への愛情をもっと深くできるお手伝いができることは、一人の人間として誇らしい仕事だとあらためて教えていただきました。

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