新規立ち上げの障壁の高を乗り越えて

原田 義雄


2022年4月現在から約10か月前に遡ります。
お電話にて「強度行動障害の男性で、養護学校卒業後の将来的な生活の場をどうしたらいいのか?支援は可能ですか?」
とお問い合わせがありました。

これまでの実績の中で、現在利用されている方の事例も交えて提案させていただきながらご本人様ともお会いし、ご家族様とも話し合い、行政の方々とも話を進めていく中で「一人暮らしの中に支援者を入れて、24時間2人態勢で対応していければいいのではないか?」
という方向性で動き出しました。

しかし、実際に人員的余裕や対応可能なのかどうなのか?
そもそもどこで独り暮らしをするのか?
解らないことだらけの中はたしてこの支援はどうやって始めていけるのか?

相談員さんも、役所の関係者の方々もそして私達も形の見えない中での支援開始への道のりが始まりました。

利用者様の状態や変化は十人十色。どれほどの経験を積んでいたとしても、やはり初めての利用者様の支援開始から利用者様の様子や癖、生活スタイルにフィットさせていけるまでは、苦戦することもあり、イレギュラーも多発することがわかっているので緊張感が漂います。特に強度行動障害のある方の支援では、想定外の事態が起こることがあります。

養護学校の卒業と共に独り暮らしを行える家を準備してくださり、卒業後から支援を開始する事になりました。

スタッフ2人態勢で常時支援していくのですが、可能な限りご本人様と一緒に行うスタイルで、関係性を徐々に構築していきました。我々支援者にも徐々に慣れてはきたものの、興奮や混乱もありました。
興奮や混乱のポイントがどこに潜んでいるのかわからないことも多く、時には興奮から他害行動に出てしまうこともあったり、ドアや窓などを激しく破壊するようなこともある中で、落ち着いて生活できる環境を構築していくことを目標に日々スタッフ一同支援しています。

まだスタートしたばかりの支援なので、今後も何かと想定外の事態が発生することもあるとは思いますが、在宅生活を続けていけるように知的障害への理解とケアの在り方を日々勉強し、今後の支援に繋がるようにしていきたい。そしてまだ見えてはいない、支援を必要としている方々に当社の支援の在り方を伝えていき、こんな生活も実現可能だということを知っていただき、関係各所の方々と協力しながら、共生社会の実現に向けた働きが少しでもできたらと考えています。

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