暗算の達人 ~世界最高の高速暗算テクニック~ アーサー・ベンジャミン&マイケル・シェルマー(著)

岩澤正博



暗算の達人 ~世界最高の高速暗算テクニック~  アーサー・ベンジャミン&マイケル・シェルマー(著)

私には小学6年生の娘がいるのですが、算数が苦手で伸び悩んでいました。娘の場合は、算数の考え方などはきちんと理解していますし問題ないのですが、肝心の四則演算の計算が遅く、問題を解くのにかなり時間が掛かってしまいます。それが嫌で、いつしか算数に苦手意識を持ってしまったようです。

 どうすれば計算が早くなるのか?何か良い方法はないのか、そんな思いで素早く計算する方法や、小学生が使う計算ドリルなどをネットで検索していました。そんなとき出会ったのが、こちらの「暗算の達人」です。最初はあまり期待もしていませんでしたし、興味本位で他の書籍やドリルと一緒に購入したきっかけです。

 ところが、これが読み進めてみるとなかなか面白い!小学生でも簡単に習得できる内容でありながら、大人の私でも日常の計算に十分に役立つ内容が盛りだくさんだったわけです。なるほど~と頷きながら、購入した当日に一気に読み進めてしまいました。

 気になる本の中身ですが、簡単言うと二桁の足し算や引き算から、 五桁×五桁の掛け算まで、超スピードで暗算するための技法が小学生にでもわかるように書かれています。おそらく算数が苦手な小学生でも、簡単に理解しマスターできる内容ですし、脳トレにもなるので、子供から大人まで誰が読んでも役に立つと思います。また、暗算技法も難しい内容ではないので、概要だけ掴むなら一気に読み進めることができる内容です。私も当初は、娘の算数の苦手を克服する目的でこちらの本を購入しましたが、結局、娘よりも自分の方が夢中になって読み進めていました。

 ただし、この本で紹介されている暗算技法をマスターするとなると、それなりの日数を要するのではないでしょうか。本を読んでその内容を理解するということと、そこに書かれている技法を習得するということは別の話になります。とはいえ、紹介されている暗算技法そのものは極めて簡単ですし、じっくり取り組めば誰にでも出来るはずです。

 たとえば、こんな感じです。こちらは、アマゾンの書評に記載されているものに捕捉を加えたものですが、これを読めば技法そのものは簡単であることがわかると思います。

36×11
42×11

「暗算の達人」は、次のように計算します。
まず、36 × 11 の場合、36の3と6を分解して3+6にします。
答えは9なので3と6の間に9を挟み、36 × 11 = 396 とします。

36×11 = 396 〔3+6=9 → 3(9)6〕
42×11 = 462 〔4+2=6 → 4(6)2〕

また、

35×35 のような二乗の計算の場合、一桁目の3の次は4なので、まず、3 × 4 = 12、次に二桁目の5を二乗して25とします。
最後に12と25を組み合わせて、35×35 = 1225とします。

35
× 35
———–
3×4=12
5×5= 25
———-
1225

83×87のような二桁の計算の場合、一桁目の8の次は9なので、まず、8 × 9 = 72、次に二桁目のそれぞれ、3×7を掛けて21とします。
最後に72と21を組み合わせて、83 ×87 = 7221とします。

83
× 87
———–
8×9= 72
3×7= 21
———-
7221

 このように簡単に計算できますが、こちらで紹介したのは本で紹介されている暗算技法の中でも初歩的なものです。最終的には五桁×五桁の掛け算まで進むので、こちらの本に書かれている技法を完全マスターすれば、かなり複雑な計算でも超スピードで暗算が出来るようになると思います。

 全体的には、汎用性の高い暗算解法を覚えて、少ない暗算解法で多くの計算を解くことを目的としている印象を受けました。また、暗算できる計算は四則演算、分数、小数、日付など多岐にわたっており、二桁×一桁の計算から五桁×五桁の計算まで、難易度は本を読み進めながらレベルアップが図れるよう配慮されています。肝心の解き方はとにかく丁寧でとても解りやすいのですが、丁寧すぎて文字が多めの印象も受けました。

 とはいえ、私が暗算技法の本を読むのはこれが初めて。そんな私でも理解しやすく、途中で飽きることなく最後まで楽しく読めたので、暗算に興味がある初心者にとっては良い本なのではないかなと思います。まぁ、私もまだこの本に書かれているすべての技法をマスターしているわけではないのですが….



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