やりがいとは何か?を考えたその先に

やりがいとは何か?を考えたその先に

野村 拓平




新卒3年目の夏
「あ、この仕事辞めよう。」私は勤務中、唐突にそんな考えに至った。

3年目にもなるのに後輩も入らず、常に下っ端の私は周囲から多大な雑用を押しつけられ、いつしかお客様の笑顔よりも上司の顔色を伺いながら仕事をしていた。この時、よく言われたのが「お前は入社3ヶ月から成長がない」ということだ。少し前までは入社6ヶ月だったのだがどうやら退化したらしい。普通に考えれば立派なモラハラだが、一番下っ端という立場はもちろん、数字至上主義の世界では売れない人間は間違いで売っている人間が正しいのだ。指摘できるはずも無い。

前職に入社した時、私は希望で満ち溢れていた。華やかな売り場でお客様に自慢の商品をオススメし、気持ちよく買ってもらう。
…のはずが、いつしか時計ばかり気にしていた。いつ仕事が終わるのか、早く終わってくれないか。あぁまだ15分しか経ってない…。という状況に陥っていた。今思えばとても健全な環境だとは思えない。

辞めたくなった原因は沢山あるが、一番大きな要因は人に自慢できる仕事ではなかった事だ。
例えば、将来自分の子供ができて「お父さんはどんな仕事してるの?」と聞かれた時に「毎日数字に追われて上司とお客様に頭下げてなんとか買ってもらう仕事」だなんて死んでも言いたくない。もちろん、商売は買う人と売る人がいなければ成り立たないが、売る人が私である必要が無い。と考え始めてから転職に至るまではあっという間だった。昔から決めたら早いのだ。

転職サイトに登録し、形ばかりの面談をした。うち1社は「弊社に来ませんか?」となぜかリクルートされかけたが当然辞退。彼らも数字があるのだろう。
さて、私の手元にあるカードはたった1枚。第二新卒(新卒から3年以内)であること。先に辞めていった同期から聞いていたがこれはなかなか強力なカードらしい。
その強力なカードを引っさげまずは中野坂上にある会社を訪ねた。ユースタイルラボラトリー??研究所か?介護っぽくは無いかな。なんて考えながらホームページや動画を調べ、面接に至った。帰り道、なんとなく「この会社に就職するんだろうな」と感じ取っていた。
※これは入社してから気づいたのだが、当社は第二新卒とかそんな枠組みには余りとらわれないので、この時点で私の最強だと思い込んでいたカードは無に帰していた。

面接の最中、明確なキャリアパスと会社の将来像を説明され、急成長を遂げ、まだまだ伸びしろがある会社にとても魅力を感じていた。ここなら自分のやりたい事ができる!胸を張って周囲に自慢できる仕事ができる!!と感じたのを今も覚えている。なにより、働いてる姿がイメージ出来たのが決め手だったと思う。

入社してすぐ現場に案内され、様々な経験をさせてもらった。しばらく働いてるうちにある事に気がついた。精神的な負担が前職に比べてほとんど無くなっていた。
来るか来ないか分からないお客様を待ちながら何周も歩いた売り場をぐるぐる歩き回り靴底を減らしていくよりも目の前のたった1人のご利用者様に向き合うことがこんなに健全な事だとは知らなかった!!何故みんなこの仕事をしないのだろう。と言っても過言ではない。

前職との明確な違いは一度売ったら終わりにならない事。販売職は大抵の場合、リピーターがつかない。だから訪問介護のように常に顧客であるご利用者様と向き合えることは社会貢献にもつながり、即ち「やりがい」なのだと確信した。

今だったら、まだ見ぬ将来の自分の子供に胸を張って言える。父の仕事は人助けだと。





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