支援から感じた多様性

齋藤数馬


東京オリンピックが開催されるはずだった2020年に入社し2年目を迎えました。感染症により生活様式に変化を求められ、介護業界にとっても激動の年だったのではないでしょうか。もちろん介護職が初めての私にとっても激動の年となってしまいました。日常のルールが大きく変化する中で何とか仕事を続けてこられたのも周りの方々のサポートの賜物であったと実感しています。

そんな私も前橋事業所でサ責として新規現場の立ち上げに携わってきました。まだまだ経験は少ないですがさまざまな利用者様と関わる中で成長してきたと実感しています。
・・・だがしかし、今回の新規現場は今までと一味違うようです。

利用者は知的障害のある20代の男性なのですが、なんとお母様は海外出身の方だったのです。
お話を伺うと、どうも南米の国のご出身のようです。ですが勉強が苦手な私にはよくわからない国でした。世界地理から勉強し直しですね。

そんななかで支援がスタートし、まずはお母様に何をすればいいか教わっていたのですが、やはり言葉の壁が立ちふさがりました。お母様は日本で10年以上生活しており日常的な会話はほぼ伝わるのですが、複雑な話になるとなかなか通じなかったりします。あらためて日本語って難しい。自分の伝えたいこと、相手が伝えようとしていることが通じないもどかしさってすごくつらいですね。相手が目の前にいる分焦りやイライラが募ります。
ですがそんななかお母様は私に色々なことを話してくれました。
息子さんはボール遊びがとても上手なこと、シャワーを浴びるのが好きなこと、トトロのさんぽが好きなこと、ご主人をがんで亡くしたこと、自身が入院中も息子さんには手料理を作ってほしいこと。
言葉が完全に伝わらなくても、想いは十分に伝わってきました。そしてご家族に対する深い愛情も強く感じました。
あらためて人が家族を想う気持ちに国籍や人種は関係ないと実感しました。そして私はその想いに応えられるよう支援しなくてはいけないと思いました。

昨今の多様性が求められる社会において介護業界もより顕著になっていくのではないでしょうか。
東京オリンピックでも肌の色や顔つきが少し異なっていても日本人として活躍されている方が何人もいらっしゃいました。
海外との交流が増加していく今、海外出身の利用者が増えるのは自然の流れのように感じます。
企業理念である“全ての必要な人に必要なケアを”この言葉にはもっとずっと広い意味が込められているのではないでしょうか。

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