チームとして支えていく

小林達也


 夏も終わり、涼しく過ごしやすくなり、店には秋の食材が並び始めました。そんな秋を感じる季節、9月に私事ですが土屋訪問介護事業所へ入職させていただきました。初めまして、長野‐甲府エリア配属の小林です。

私は今に至るまで、介護とは近くも遠い医療現場で看護師として勤めてきました。ですが、転職をきっかけに退職し、そんな時に重度訪問介護と出会いました。初めに非常勤で入り楽しさ、やりがいに魅了され常勤へと移行しました。

 初めて現場へ入らせていただい方は、意識が無く、自宅で人工呼吸器を使用中の方でした。しかし、土屋訪問介護事業者が入る前、ご本人の意識がある際はご家族が介護をしており、共に転倒してしまい怪我をするなど、日々苦難を抱えていたとお聞きしました。しかし、土屋訪問介護が入り始めました。実際、ご家族や利用者の方からは「いつもありがとう。(土屋さんが)来てくれるから時間ができる。安心できる」などの声を聴かれました。ご家族・ご本人の希望である自宅で看取りたいという思いを実現されていた。その希望を支えていたのが重度訪問介護だったと実感し、感動しました。在宅では課題が多くあり、移行するには難しいという状況を一つ一つ解決し、希望を実現されていました。こういったケースは多くあり、重度訪問介護が多くの家を救っていることを上司のお話でも伺いました。そういった場面を見るたび、介護を繋ぐ他業種とのやり取りを垣間見て介護の素晴らしさを覚えました。看護師として働いていましたが、このよう1対1で向き合い、寄り添うケアは行えていませんでした。日々、業務に追われ状態を観察し予測する。楽しくないわけではありませんが1対1では無いため、寄り添うという事にも時間に限りがあり難しいのが現状でした。1対1で利用者の方を支える事は責任感も必要ですが、それ以上にやりがいを感じさせてもらいました。

 しかし、良い面だけではありません。利用者の中にはコミュニケーションが上手く行えず、伝わらないというストレスを与えてしまい不満な様子を見受けられることもありました。これは誰もが通る道だと思います。推測で意図を読もうとする。一つの手だと思い、実施しましたが話を最後まで伝えたいという方もいました。今までの看護師経験で、優先順位を考え、時間のコントロール癖があったことに気付かされました。介護での優先順位はあくまでご本人の意思・そして生活を支えること。このことを学ばせていただきました。
 
 また、看護師としては動けないですが経験や知識を使うと利用者、ご家族にとって更に良い方法を考えてしまいます。ですが、現場では提案・実施までにケアマネや相談員を通す必要があり、コロナ禍でなかなか会議が開催されず、すぐに実施・評価へ移行できない事が多々ありました。他にも、インテークや会議に同行させていただくことがあり、相談員等より重度訪問介護を利用したいという方の相談を受けることがありました。ですが、現状は人手が足りず救い切れていない方が多くいます。長野エリアには支えきれる程の施設が無く、また人手が足りていないという社会問題を実感しました。このような現状でこの先の不安を感じました。しかし、実際に利用者側、ご家族にとってどれ程の不安か計り知れないです。そのためにも、課題一つ一つに対し実際に周囲を見渡せるよう、介護士としてだけでなく統合過程等にも参加させて頂き、現状の把握をしていきたいと思います。人手不足についても、各地にいる利用者の方や在籍されている常勤・非常勤の方とお会いし現状というものをしっかり学び、今後の介護の在り方について考えていきたいと思います。

 土屋訪問介護事業所はソーシャルビジネスで理念「すべての必要な人へ 必要なケアを」を掲げ、その中で介護士として働いていく。その為にもご本人、ご家族への寄り添う事へ意識を持ち続け、また、非常勤の方が多いエリアですが、看護師としても生かせる知識は共有し、介護の質を落とさず、チームとして利用者・ご家族・土屋訪問介護を求めている方々を支えられることを目指していきます。


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