始めての現場で

近藤雅彦


2日間の講義がおわり、いよいよ初めての現場研修!
『他人様の介護なんて本当にできるのだろうか?』
『私の介護が、利用者様に受け入れてもらえるのだろうか?』
『利用者さんはいいひとだろうか?』
上司について研修ですので、ひとりではないのですが、未経験の私には不安が募るばかりでした。
初めての現場は、脊椎損傷・半身不随の男性でした。
上司と最寄駅で待ち合わせをして、道中いろんな説明をしていただけました。
『歳もちかいから、話もあうよ』と言われましたが、
何話したらいいの?変に話をして傷つけたりしないだろうか!
緊張と不安で頭の中は真っ白でした。
手洗い・うがいを済ませまずは挨拶しにいきました。
利用者様はベットからテレビをご覧になられてました。
『大丈夫なの? ちゃんと介護できるの?』
そんなふうにみられてるようにしか、おもえなかったです。
上司の支援の手伝いからはじまり、少しづつできそうなことからやらせてもらいました。
今まで経験したことないことばかり、相手は実際の利用者様、失敗なんて許されない。
ただただ、言われたことをやること、メモとることだけで一日が終わった気がします。

今だから思える
利用者様からみて、初めて来るヘルパーさんに対して、
『どんな人が来るの?ちゃんとできるの?』
いくらヘルパーだからといっても、全くの他人であり、会ったこともない人に自分の身体を任せるのだから、そう思って当たり前ですよね。
それも新人なんてなったら特にですよ!

よく先輩スタッフが、新人スタッフさんに気にしなくていいよと言ってくれる言葉の意味が、今ならわかるように思えます。

今私は、新しい現場に入ったら、いっぱい話しかけるようにしてます。
くだらない世間話ばかりかもしれないですけど…
そうしていると、少しずつ心を開いてくれてるように思えます。
話せない人でも、ちゃんと訴えかけてくれます。

利用者様やご家族様とのコミュニケーションを大切にすることで、少しでも利用者様の訴えをくみ取れるのではないでしょうか。
訴えがくみ取れるからこそ、『全ての必要な人に、必要なケア』ができるのではないかと思います。

最後に、初めて入ったこの現場は、他事業者に移行となりましたが、
最終日にご利用者様から、『いろいろありがとうね。楽しかったよ』と言っていただいたことが、一番うれしかったです。

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