「びっくりした?」

小川典子


はじめまして。小川典子と申します。
呉服屋に10年勤めた後、ブライダル系の仕事に3年程勤めておりました。
今まで介護とは無縁の仕事をしていた私が、介護業界に興味を持ったきっかけをお話ししたいと思います。

私が初めて介護に興味を持ったのは、5年程の高校の同窓会で再開した。一人の友人がきっかけです。
彼女とは高校3年で同じクラスになりましたが、卒業後はたまに連絡を取り合ってはいたものの、会うことはなく、同窓会で再開できるのを楽しみにしておりました。
彼女は同じグループの中でもとりわけ明るく活発で、卒業後はホテル系専門学校を出て、海外で働いていると聞いていたので、特に会うのが楽しみな一人でした。
なので、その彼女が車椅子で来た時は、正直、かなり驚いたのを覚えています。車椅子といっても、病院で見かけるようなものではなく、レバー?がついた凄いやつです。
幸せなことに病気や怪我に無縁な私でも、なんとなく重症度が分かりました。
一瞬にして、十数名いたその場の空気が凍りつき、失礼な話ですが、挨拶するのも忘れて、じーっと見てしまっていたと思います。
なんと声を掛けたらいいのか分からず、思考が停止してしまいました。

彼女は慣れてますと言わんばかりに、そんな空気をものともせず私を見つけると、昔と同じように明るく「びっくりした?」と笑いました。
もちろん驚きましたが、車椅子云々よりも、昔と変わらず笑っている彼女にびっくりしました。
彼女曰く「事故っちゃった」らしく、今はプログラミングを勉強し、IT関係の仕事をしているとのことでした。
他のみんなと変わらず、楽しそうに充実した日々を過ごしている彼女に、今までの障がい者のイメージを覆されました。
その中で彼女の話にしきりに出てくるのが「ヘルパーさん」でした。
当時の私には、知っているけど馴染みがない職業でしたが、彼女の話からヘルパーさんが、彼女にとって家族のような大事な存在であることがわかりました。彼女の生活だけでなく、前向きに過ごせるのも、ヘルパーのおかげだと言って笑っている彼女を見て、すごい仕事だと感心したのを覚えています。

あれから数年たち、改めてこれから先どんな仕事をしていこうかと考え、人の役に立つ仕事がしたいと思った時、一番初めに頭に浮かんだのが介護の仕事でした。
経験がなく、不安なことも多いですが、これから彼女のような人を笑顔にできるよう、精進していきたいと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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