介護の道へ

金田悠悟


私は高校を卒業後、大学や専門学校には行かず社会人になることを選んだ。
理由はただ、もう勉強がしたくないという薄っぺらい理由。やりたいことなんて無く、将来のことも深く考えたことがなかった。
けれど体力には少し自信があったし、製造業なら頭が悪くても頑張り次第で役職に就けるだろうという浅はかな考えで食品加工の工場に入社した。

入社してからは、先輩や上司から評価されようと必死に、ただがむしゃらに働いたし、その甲斐あってか1年目から信用を得ることができ、頼られることも多かった。
このままいけば出世コースだ!なんて気楽に考えてた。
だが2年目からは考え方が少し変わり始めた。
大学や専門に通ってる友達と仕事や将来の話をすることが増え、その度に自分の仕事は他者に自慢できる仕事なのだろうか?
胸を張ってこういう仕事してるんだぜ!と言えるのだろうか?
このままでいいのだろうか?
こんな漠然とした不安がどこからともなくやってきて、こんなことを考えだすようになった。答えは決まってNOだった。
とは言っても新たに挑戦したいこともなく、転職に有利な資格も何も無いし頭も悪い。だから辞めたくても辞められず、惰性で仕事を続けていた。

そんなこんなあり3年目の秋頃に体調を崩した。仕事が出来なくなるまで体が弱ってしまい退職。路頭に迷った。
そんな時、周りの人たちに凄く助けていただいた。支えていただいた。親、友人、前職の上司。感謝してもしきれない。

それから時は流れ今年の4月。社会復帰が出来るまでに回復。
じゃあ仕事どうするんだ、やりたいことはあるのか。そう考えた時に、以前の私には考えられないほどすぐに出てきた。「困ってる人を助けたい」強くそう思った。自分が困ってる時に助けていただいた分、次は自分が助ける立場になりたい。綺麗事のように聞こえるかもしれないが本当にそう思った。

そこでまず浮かんだのが心理カウンセラー。
私の性格的にも合うと思ったが資格を取る金銭的余裕が無かったので断念。
次に介護に興味を持ち転職サイトを眺めていた時、ユースタイルラボラトリーに目を惹かれ、この時に重度訪問介護という仕事があることを知った。
ネットで調べたりYouTubeを拝見し、これだ!とピンときてすぐに応募。採用していただき5月1日に入社。

5月8日に初出勤。人生で初めて難病の方と顔を合わせた。上手く言えないが様々な感情が渦巻いた。
早く認めてもらい、なるべく普通の生活を送れるよう支援していきたい。そう強く思った。思ったはいいが、そんな簡単な事ではなかった。
小心者の私は顔や体に触れるだけで手が震えた。この頼りなさ、不安感が伝わり苛立っているようだった。それを見て私はもっと怖気づく。負の連鎖だ。
初日は負の感情が大半を占め終わった。
次の日からは気持ちを切り替えた。
自信がなく、不安でもそれを見せないよう努力し、明るく振る舞った。利用者さんも少しずつではあるが認めてくれるようになってきた(と思いたい)。

まだ入社して1ヶ月弱しか経ってないがすごくやりがいを感じることができている。
利用者さんの笑顔やありがとうの言葉。それだけで私も救われる。笑顔になる。
これから先辛いことがあろうともこの仕事を続けていきたいと思っている。
自分のしたかった「人助け」を今出来ているかと問われたら、まだまだYESとは言えないと思う。
けれど、自信を持って「人助け」と言える日が来るように、日々向上心を持ち利用者の方々と向き合っていきたい。

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