夢を夢で終わらせるな

原田義雄


私のもとに一本の電話があった。

「自分は今、田舎な地域で両親と同居してるのですが、母親の体の状態もあまり良くないので、負担をかけています。父親は仕事で帰りも遅くなる時があります。日中は、ほぼ毎日ベッドの上で過ごしていまして、両親ともに働いているので食事も排泄の事があるので、基本食べないようにしています。土屋さんはこんな場所でも来ていただけるのでしょうか?助けてもらえますか?」

私達、ユースタイルラボラトリー株式会社として、私に何がどこまで出来るか真剣に考えていきたいので、一度お会いさせてくださいとお伝えして電話を切った。

数日後、ご自宅に訪問させて頂くと、丁度お母様がご自宅に仕事の合間を縫って帰られていました。

一緒に話を聴かせていただくと、今何に困っているのか?これから先の生活をどうしていきたいのか?ご本人様とご家族の今までの生活の事など伺いながら、私の頭の中でとあるアルゴリズムが作業開始していきます。

先ずは、生活の面の支援をどう構築していくか?人員的に余裕があるか?利用者様宅までの距離的問題は解決できるか?
そして、さらにはこの方の活動の部分でどれほどお手伝いできるか?
障がい者競技の選手兼監督業までやられてる方だということで、時には泊りがけの遠征や、移動もあるとのこと。
また、ご両親にいつまで自分のことで負担をかけてしまうのは申し訳ないと、、、。

この時に、私が一方的に想像したこの方の未来は、独り暮らしをして、支援を受けながら
自身の活動も積極的に参加し、楽しみながら生活している姿でした。

この方は、今の現状を変えるにも環境の資源が枯渇している地域で生活していることで、
現状を変えるにも変えられないということ。
活動するのにも圧倒的にマンパワーが少ないということ。
こうだったらいいな~と思う自分の姿を夢に見たくても、諦めかけているということ。

全然境遇は違うのですが、昔の私の姿に重なる部分があり話をしていくうちに、
この方の未来は絶対輝いたものでなければならない!
そして、諦めずに前進した先に待っている景色をこの方自身で掴み取ることの喜びや、
道すがらに待ち受ける壁をぶっ壊して先に進めた自信を、次の世代に繋いでいく必要があると強く思いました。

事務所に帰り、コーデネーターの方々にこの話をしました。
無理は承知で、でもここにチャレンジする意味と、その先に待つ利用者様の姿と
そこを支援し続けていく私たちのやりがいと挑戦は必ず双方に感動が待ってるから
どうかな??っと伝えたら、みんな「是非!やりましょう!」と言ってくださいました。

そうは言っても、全てを完璧に最初からスタートするにはなかなか難しい現状ですので、
先ずは使ったことのない重度訪問介護に慣れていくことから始めていただくため、
週3回の夜勤からスタートする運びとなりました。


サービス開始も比較的早くサービススタートを切れまして、
初めは夜間の様子の見守りや入浴の支援なんかがメインでしたが、
今では、競技の練習のサポートをスタッフが楽しみながらやってます。
スタッフからは、オリンピックも夢じゃないんではないでしょうか??
そしたら土屋として同行していいんですよね??
土屋も世界に名を残すにはもってこいですね!!などと言ってます。

まだまだ始まったばかりですが、出来ないと諦めていたことが少し出来るようになった事は事実です。
ここから更に出来る事を増やして、この方と共にどこまででも夢の実現を叶えるために
一緒に歩いていこうと決意が出来た新規立ち上げの紹介です。

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