よいヘルパー26

よいヘルパー26

福島伸悟(デイサービス土屋 若宮 所長)



いわゆる『良いヘルパー』と『悪いヘルパー』という物がある。
同じ人間、同じ教育課程、同じ職歴だとしても似かよる事はあれ、差は生じてしまう。

だが、そもそも『悪い』とはなんだろうか?
実際に悪いヘルパーは初めから悪い訳ではない。色々な環境が『悪い』ヘルパーを生み出しているのではないだろうか。
資格習得の為に勉強をしている間は、志しがあり教室内では真剣に講師の話しに耳を傾けていたはず。
実務に入ってから『利用者様』と向き合い、会社からこうすべきという教育を受けてきたはずだ。

『悪い』というのは『何』に対しての悪いなのだろうか?
例えば『利用者様』に悪いヘルパーというのは『仕事』以上の情を接する事が出来ず、業務も与えられた物以外は行わない。
だが、言い方を変えれば最低限の接し方はし、任せられた仕事はこなしている。
例えば『会社』に悪いヘルパーというのは『利用者様』に必要以上に労力を割き、こちらが割り振った仕事をこなしきれない。
だが、言い方を変えれば『利用者様』に対して真摯であり、仕事以上の情念を持って接している。

どちらが『悪い』のか、それは一概には言えない。
そもそも『何』が、という対象だって『利用者様』『会社』以外にも山ほどある。
利用者の立場、ボランティアの立場、社員の立場、外部指導員の立場、役員の立場。
色んな『立場』があれば『何』を一番とすべきか、というのはどうしても違いが産まれてくる。
それらの様々な『良い』と『悪い』を最終的に考え、選んでいくのは『自分』で行うしか無い。

介護とは、手助けや、仲介ができ、安全を守る事であると、思う。
だが『何か』を大事にしすぎ、他を疎かにするというのは果たして良いヘルパーだろうか?

私が思う『良いヘルパー』というのは『利用者』の過ごしやすさ、満足を感じて貰える物である。
一番問題なのは「これだけしたから大丈夫」「ここまですれば問題無い」と決めつけて終える事である。
『利用者様』の満足を決めつけない、ちゃんと満足して貰う。そうして貰う事で私達を信頼してもらう。
また、安全確認や作業等も毎日の事だから、いつも平気だからと気を抜かず行い、可能な限り万端に備える。
もちろん、完璧にそう出来ている訳ではなく、まだ道半ば。理想は理想なのかもしれない。
だが、そうして利用者様の満足と、会社の安心、ひいては周辺地域への信頼。
そういった物を満たしていけるようになれれば、それが私にとって『良いヘルパー』である。


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