介護のお仕事で困ったこと 現場での育成環境について

介護のお仕事で困ったこと 現場での育成環境について

上杉秀貴



未経験から介護の現場にデビューし無事?約2ヶ月経過しました。
困ったことがあるとすれは自分の経験不足、知識不足ということに集約されるのですが、困ったというよりは現場での”育成”に関して今までの経験との相違点があり、工夫や知恵が必要だなと感じたことがあります。

私がどっぷりつかっていた外食チェーンでは、特に業務面においての育成イメージは、業務の習得レベルに応じて例えばAランク、Bランク、Cランクのように区分けされていました。
新人はまずCランクを目指します。ここでは一通りの業務をゆっくりでもいいので手順通りにできることが求められます。
いくつかある業務のポジションのピークタイムの業務が出来るといった段階でBランクに昇格。さらに全ての業務を高い基準でこなせるようになればAランクに昇格といったように育成が進められます。
ここでのポイントはコーチ(トレーナーともいいますが)が指導する際、それぞれのランクに応じた指導がされるということです。指導が必要なのはCランクに限ったことではなく、Aランクになって全ての業務ができるようになったとしてもさらに上級の内容の指導が存在していました。

では私たちの現場はどうでしょうか。最初は支援に同行させていただき業務内容を学んでいくのですがおそらく上記のランクでいうところのCランクになった時点で独り立ちになります。コーチが現場に不在になります。

複数名のチームで同じ場所で仕事をしているような環境では、常にコーチがいて指導を直接、タイムリーに受けることができます。
しかしながら私たちの現場ではそういうわけにもいきません。独り立ち以降の育成はコーチからの指導がない状態で進めていかねばなりません。
もちろん利用者の方やご家族からの指導は受けることは出来ますが、一通りの業務はできるので向上心を持続させないとなかなか成長が進まないかもしれません。

とりあえず問題なく支援出来る、というレベルも、育成が進めば、よりよい関係性を構築して先回りして声にならない声を聞けるような支援が出来るようになります。
しかし、それを成し遂げようとする意志を強く保つことや、成長していくスピードは自分にゆだねられている、つまり自分で自分を育成する。というモデルが私たちの支援なんだと理解しました。

ここで重要なポイントは業務という切り口だけでは語れない、私達の仕事で最も大切なことは“心”であるということです。介護の技術的な向上よりも、心のありよう、思いやりや気配りという無形のものを自分で育てていかねばなりません。

私達は同じ現場にいながら言葉を掛け合える環境ではありません。
しかしながらミッションのもと志を同じくする仲間と心がつながっているはずです。

私達がここにいる理由。
自分と対話しながらそして仲間と心がつながっている安心感を感じられるような環境づくりをしっかりやっていこうと思います。