介護のお仕事で困ったこと 同じ所で躓く…という自分に困ります

介護のお仕事で困ったこと 同じ所で躓く…という自分に困ります 

池田雄貴



介護を始めた当初
ただ、おじいちゃんおばあちゃんが
好きだったのでこの仕事に就こうと思い
始めました。
はじめの頃はそれなりに順応し
いろんな知識を吸収し、毎日楽しく
仕事に行ってたのを覚えています。
とある認知症の高齢の方の話をします。
その方は口数も少なく、
「厳しそう・頑固そう・難しそう」に見えるが
接すればとても穏やかで
こちらまでもが
穏やかな気持ちになる様な方でした。
10時と3時のおやつには
その方が大好きな゙塩せんべい゙を
「くれー、まだないんか?」と催促され
いつも塩せんべいを頬張っているのを
覚えています。
その方は本当に毎日穏やかに
過ごされていました…
ある日から
幻覚が見えている様になられました。
きちんとトイレ行かれていましたが
人がいても、どこへでも
お構いなしで放尿されるようになりました。
怒りなのか?不安からなのか?
日に日に誰にでも暴言を吐き
最悪の場合は、手を振り上げ殴る仕草を
される様になられ
戦争を経験されておられる為
夜中になると目を覚まされ
竹槍または銃を持った格好をされ
敵と思い襲いかかって来られることもしばしば
施設の所長からは
あなたのコミュニケーション不足が
原因だと相談する度に言われ
その方にはいろんな角度から
自分では接したつもりでした。
その方が夜中になると叫ばれたり
他の利用者様へも影響が出るようになり
病院受診を検討しましたが、
所長判断で病院受診はない、薬も投与しない、
コミュニケーション不足だ!と言われ
その状態が半年程続きました。
…病みました…。
その方は重い脳梗塞になられ
亡くなられました。
なんでもそうだと思いますが
同じ考え、方向性、同じ道または違っても
ゴールは同じ方を向いていないと
平坦な道も時に上り坂になったり
険しくなったりするんだと思いました。
ひとりできる事なんて本当に些細な事だと
今ではよく感じます。
特に介護の仕事で困った事は
正直ありません。
ただ、普通に生きてていろんな方たちと
出会い、意見を交わし、共感をして
それを何度も繰り返してきても
また、同じ所で躓く…という自分に困ります。
頭では分かっているのに面倒くささが勝ったり
自分の意見はあるが人にそれを求めては
いけない!その人が自らそこへ自分の意思で
行くのならまだしも…とか、考えしまうと
頭の中がショートします。
目標としては、人の為、自分の為にも
もう少し肩の力を抜き
視野を広げ負担にならない程度
少しずつ自分の心・頭を
アップデートしていけたらと思ってます!


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