~コロナ禍も悪いことばかりじゃない!~

秋田 学



新型コロナウィルス国内初感染から1年余りが経過した。
2/17(木)現在,国内の感染者は420,499人,死者は7,223人にのぼる。
新型コロナでご家族や友人を亡くされた方,旅行も外食もアミューズメントパークも我慢してストレスを溜める方,収入が減ったり職を失ったりした方…。世の中は悲しみと不安と怒りで満ちている。
個人的にもこの1年は飲みにも旅行にも行っていない。せっかく埼玉県から栃木県に引っ越したのに趣味の日帰り温泉巡りもできない。そんな中で2/17(水)から国内でもワクチン接種がスタートし,ようやく希望が持てるようになってきたところだろう。

しかし,コロナ禍といっても悪いことばかりではない。インフルエンザ感染者数が極端に減っている。2020年9月からの22週間で比較すると今シーズンの感染者数が例年の1,200分の1以下となっている。
インフルエンザで命を落とす人は日本国内で毎年3,000人余り,インフルエンザが原因で基礎疾患の悪化等により死亡するインフルエンザ関連死も含めると死亡者数は毎年約10,000人にものぼるそうだ。
死者数も1,200分の1であれば今シーズンは10人未満,なんと9,990人の命が助かる計算になる。もちろん新型コロナの影響がどれだけあるかは不明だが,感染症予防の意識が高まったことは無関係ではないと思う。

現在逼迫している医療体制もコロナ禍を機に徐々に整えられ,近い将来新たな感染症の流行にも強い体制になっていくに違いない。
不安定な非正規労働者の問題,遅れているIT化,他にも様々な問題が提起され,関係者によりその全てを改善する努力がなされている。

個人的に良かったことは何と言っても土屋訪問介護事業所に転職できたことである。以前から「いつかは介護の仕事を…」と考えてはいたが,他にも宿泊業や食品関係などやってみたい職種がいくつもありあれこれと迷っていた。
しかし,転職時期がコロナ禍と重なったことで,希望する他職種の行先不安から他の選択肢を捨てることができ土屋が第一志望となった。
現在は介護の仕事に悪戦苦闘しながらも,仕事のやりがいと意義を感じるている。また,自宅にいる時間が長くなったことで家族との会話が増え今まで以上に家族を大切に思えるようになった。
些細なことでは,魚がさばけるようになったこと,20数年振りにピアノを弾き始めたこと,2年近く空き家になっていたため密林のようになっていた自宅裏の崖の樹木の伐採や草刈りができたこと,それまで好きではなかったネコを飼い始め,今ではウチのネコちゃんが世界一かわいいと思うようになったこと…。
数え上げればキリがないほどたくさんの良かったことがある。生活の中にある小さな喜びに目を向けることができたことで「コロナ禍も悪いことばかりじゃない!」と思えるようになった。

とは言っても人間には,生きがいや人との関わりだけでなく息抜きや娯楽も必要だ。仕事や人間関係には恵まれたが旅行にも行きたいし温泉巡りもしたい。
新型コロナのワクチン接種が進み有効な治療薬が開発されることで,誰もが安心して外に出られるようなときが来ると信じて,今は目の前にある自分にできることを頑張っていこうと思う。


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