『3年の振り返り』

茂原弘子


重度訪問介護に携わり、ようやく3年が過ぎました。
そこで忙しかった日々、その中でも入社間もない頃を振り返ってみようと思います。


未経験でこの業界に飛び込み、あの頃は毎日が不安でいっぱいでした。
初任者研修を受けていたのに学校で学んだことは全くと言っていいほど的外れ。
教えてもらっていたのに全然、生かされない。とブツブツ。

今ならご利用者様、それぞれやり方が違うんだよ。と当時の私にアドバイスが出来ます。
ご利用者様への声掛けの大事さ、目線の高さなどの配慮、緊張の連続で柔軟な発想も応用もきかず、学んだこともを思い出す余裕もゼロ。無我夢中。

やるからには頑張りたい…でも、頑張りたいと出来るは違っていて毎日がただただ不安でした。
人生初の夜間の支援では、どんな支援をするのか?さえ当時は分からなかった。
研修指導してくださった先輩スタッフはいとも簡単に支援をこなしていく。
見ているだけなのに頭はパンパン。

・これが自分に出来るかな? 『そんなに早く出来ないよ。』
・この仕事に向いていないのかな?
・経験がないと出来ない仕事なのかな?

毎日、そんなことばかり考えていました。
その時に、先輩スタッフから

“大丈夫、大丈夫。順調、順調” の声掛けを貰い救われました。

それでも支援の時間が近づくとソワソワ、
支援時間の何時間も前に家を出で利用者様宅近くで予習復習。
少しづつ出来ることが増えていき、どこを境に自信がついたのかもわかりません。

ただ在宅で生活をしているご利用者様にはその方のペースがあって、
せかせか私のペースで進めることをしなくなってから上手くいくようになった気がします。
転職したことを知っている友人に、のんびりやっている。と言った記憶があります。

ご利用者様の体に触れるうちに手で感じ、声掛けに応えてもらって文字盤で意思の疎通をとりながら信頼関係の構築。ご利用者様に自然体の笑顔で接することができるようになっていきました。
なんとなくこの仕事が楽しかったです。
初めての”ありがとう”の言葉に感激したことも憶えています。

今では聞く側に回っていますが、多くのスタッフが重度訪問介護で力を発揮できるように
不安でいっぱいの研修中のスタッフに当時の私が救われた、

“大丈夫、大丈夫。順調、順調。” の声掛けをしていきます。

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