12月になった。
本当に一年が早い。年々早く感じるようになった。
毎日が忙しく一日が26時間あったらあと2時間寝られるのに、とつぶやく娘。
確かに。
でも本当にその2時間を休息に充てられる?いや、きっとまた何かをしてしまう、より忙しくなる気がする、だったら今の24時間でいいねと、そんな会話のやりとりがあった。
一年を振り返る時期になり、夜に娘と女子トークで盛り上がった。
今年の理不尽ランキング上位に輝いたのは「待てない人」。
娘は駅のケーキ屋でバイトをしていた。
駅の構内で気軽に立ち寄れるそのケーキ屋はいつも混んでいた。
その店はいつも多くの人が並び順番を待ちやっと注文ができる。帰宅時間帯はその混雑が増し、中には酒によったお客様も多いそうだ。
その混んでいる状況を分かっていて自ら並び、並んで待っているうちにイライラし、注文の番がきたときに開口一番「なんでこんなに混んでいるんだ」は序の口。
「こんなに待たせやがって」といきなりキレる人。
「新幹線を待たせているんだ早くしろ」「なんでこんなに商品が少ないんだ」等々。
娘曰く、待つことを自分で選択したのに待てない人が多い。
急かすのは女、怒鳴るのは男。
閉店間際に商品が少ないのは当然。
新幹線までの時間の逆算の読みが甘いのは自分の問題。
時間がなかったり待つことが耐えられないなら諦める選択肢もあるのにそれを選ばず店員にあたる。
接客不良や商品に落ち度があれば仕方ないが、サービスの落ち度がないのに毎回そういったお客様に謝るのは理不尽だと。
店はドアがあるかないかで客の意識が違う。
ドアを開けて入って来るということは、少なくともそこで多少の時間を使う、予定を組んで行動をしている人が多い。だから多少の事は想定内。
それに比べドアのない店は、予定にはなかったけどたまたま目に入ったから、思い付きやひらめきでパッと立ち寄る人が多い。その分自分の覚悟がないからクレームも多い。
働き盛りのサラリーマンや子供連れのお母さんまで、自分が望んで決定したのにそれによって被ったデメリットにフォーカスしすぎ。何でも人のせいにする。
そしてその矛先を二十歳そこそこの若い学生に牙をむいて恥ずかしくないのかな、と我が家の娘は冷静に分析をしていた。
その他聞けばどんどん出てくる。
最初に見た時にはあったショーケースの商品が並んでいるうちに売り切れ、自分の順番になった時に商品がない事に腹をたて、罵るだけでは事足りず他の店舗から持ってこいと譲らぬ客。
もはやそれは客ではない。
たかがケーキ。されどケーキ。
そんな話を聞きながら世の中は余裕のない人が多いと感じた。
我が娘の分析力の高さと毒舌ぶりに驚き、人のふり見て我がふり直せ。
残り少ない2019年。皆さん心に余裕をもってお過ごしください。
※菅野真由美プロフィールはこちら