あれは12月12日、ちょうど第三回連続学習会を準備している最中の出来事でした。
いつもとは違う緊張感の中、障害当事者の方の視点からケア現場のケアハラスメントについて、御意見をうかがえる滅多にない機会、一体どのようなお話をしていただけるかというドキドキ感の中、妻からLINEメッセージが入る。
こんな時間に珍しいな。
また、いつもの『帰りに100%リンゴジュースを買ってきてください』かな?
携帯を見るとそこには
『次男、発熱です』
・・・・・!
すかさず返信
『何度くらいです?』
『38.5』
・・・私の脳裏には即座に去年の悲惨な記憶が蘇った。
長男が発熱し、38度ちょいの熱を出すもすぐに解熱傾向、見るからに様子も元気そうだが、念のため休日診療の病院に検査に。病院にはたくさんの見るからに『ものすごい体調悪いです』という顔をした子どもたち。うちの子は平然とゲームをしながら診察を待つ。診察を終えた子どもたちが、次から次へと診察室に戻ってくる。そして長男の番。診察室に呼ばれ検査をし結果を待つ。医師の次の言葉は『陽性です。A型ですね。お子さんはこのまま裏の待合室で待機し、お父さんは靴などを取りに行って裏口から出てください。お大事に』
・・・はっ? あんなに体調悪そうな子たちがただの風邪で、うちのが、インフルエンザですか?
ここからが本当の悲劇の始まりだった・・・
仕事柄、感染る訳にはいかないので、デイサービス勤務だった頃に取った手段、自分だけ隣の市の実家に避難。幸いなことに妻も元々介護職だったためこの対処に対する理解は示してくれている。今回も2つ返事で『仕方ない』と承諾してくれる。次の日以降の仕事の準備と数日分の荷造りをし、早速事情を話し実家に移住する。
その晩、妻からの連絡。『私も39度・・・』
病人の世話をするものがいなくなった・・・もう無理だ。
自分と次男もうつるかもしれないけど覚悟を決めて家に戻るしかない。
当時の上司に状況を伝え、翌日の統合課程の担当を代わっていただき、完全に収束するまで出勤しないことを命じられた。
チームの皆さん、本当にごめんなさい。
とにかく家では全員マスク、可能な限り隔離。タオル類は共有しない。次男はとにかく自分と一緒に行動。2人には極力近寄らせず、こまめに手洗いとうがいをさせる。
考えられる対処をとにかく徹底的にした結果、本当に幸いなことに長男と妻が回復するまで、私と次男は感染しなかった。
次男は去年の長男と同じように解熱傾向にはあったものの、また同じことが起こってしまうのでは、とハラハラしながら翌日の通院結果の連絡を待つ。
そして妻からの連絡
『陰性でした』
良かった。去年の二の舞だけは今回は避けられた。
そして次に考えたことは
次のミーティングで、インフルエンザや感染症の話をしよう。
※渡邊知朗プロフィールはこちら