よいヘルパー7

よいヘルパー7

岩澤 正博(千葉サービスマネージャー)




よいヘルパーとは何か?そう聞かれてすぐに頭に思い浮かぶのが、それは誰にとってよいヘルパーなのかということです。なぜなら、利用者やご家族(介助を受ける側)にとってよいヘルパーと、事業所や施設(介助を提供する側)にとってよいヘルパーとでは、その対象となる意味合いが異なるからです。

   利用者やそのご家族からみたよいヘルパーとは、自分たちの要望をなんでも聞いてくれるヘルパーであり、何よりも利用者本人やご家族を第一に考えてくれるヘルパーです。自分たち以外の利用者様、事業所の都合などはそれほど重要ではありません。

 これに対して事業所や施設からみたよいヘルパーとは、責任者の指示をきちんと守り、自分本位な考えで支援手順や計画を勝手に変更したりしないヘルパーです。どんな支援にでも積極的に入り、事業所や施設にとって不利益となるようなことはしません。

 このようにヘルパーを評価する立場によって、それがよいヘルパーか否かを判断する基準が変わってきます。なので、一言でよいヘルパーがどんなヘルパーなのかを答えることは難しいのですが、あえて答えを出すならば、利用者など介助を受ける側と、事業所など介助を提供する側の両方から評価されるヘルパーが、よいヘルパーといえるのではないでしょうか。

 ただし、これは言葉でいうのは簡単ですが、実際にそのようなヘルパーは少ないのが実情だと思います。大抵のヘルパーは、どちらか一方に偏っていているのが通常で、両者のバランスをうまく保てているヘルパーはごく僅かです。現実的には、利用者側に偏った考え方で支援に入り、事業所側の意見にはなかなか耳を傾けようとしなかったり、反対に事業所の都合ばかり利用者へ押し付け、利用者の要望など問答無用で跳ね除けてしまうヘルパーも少なくありません。

 大切なのは、両者の言いたいことへ耳を傾け、介助される側とする側のバランスを上手にとることです。そのためには、お互いの妥協点をさぐりながら、両者がうまくいく方法を模索する想像力を発揮しなければなりません。介護に必要なスキルは身体介護や家事援助のスキルだけでなく、こうした想像力を働かせるイメージ力も、地味に重要なスキルになってくるといえます。

   要するに介助される側とする側のパワーバランスがどちらか一方に傾くと、大抵の支援はうまくいきません。よいヘルパーとは、この点をしっかり理解しているヘルパーで、両者のパワーバランスを上手にコントロールできるヘルパーではないでしょうか。



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